世界殿堂入りのジャンボ、遼を“後継指名”

[ 2010年10月7日 06:00 ]

世界ゴルフ殿堂入りが決まった尾崎将司(右)に、池田勇太(中)が見守る中、祝福の花束を渡す石川

 国内ツアー通算94勝を誇る尾崎将司(63=マックス・インターナショナル)のゴルフ世界殿堂入りが6日に横浜市内で発表され、授賞会見で尾崎は、今後もレギュラーツアー一本で戦う意向を強く示した。また、石川遼(19=パナソニック)、池田勇太(24=日清食品)、薗田峻輔(21=フリー)を平成のビッグ3に指名しながらも、7日開幕のキヤノン・オープン(神奈川・戸塚CC西C)で若手に負けない活躍を誓った。世界殿堂入りの表彰式は来年5月に米フロリダ州で行われる。

 サプライズ演出にジャンボの顔が思わずほころんだ。司会者が会見に極秘で駆けつけた石川、池田の名前を紹介すると、尾崎はニヤリと照れ笑い。2人から花束を受け取るとがっちり握手した。「ゲストなんて絶対呼ぶなと言ったら(関係者は)分かりましたと言っていたのに、だまされた。でも、うれしいもんだな」。目尻を下げた尾崎の表情が喜びの大きさを物語っていた。
 樋口久子、岡本綾子、青木功に次ぐ日本で4人目の世界殿堂入り。これまで毎年のようにノミネートされながら得票率がわずかに足りずに落選していたが、ようやくツアー外競技を含め国内外113勝の実績が評価された。尾崎はそんな自身の晴れの日に、将来の日本ゴルフを引っ張る後継者として3人を指名した。「遼、勇太の2人に薗田が加わってきた。この3人は日本のゴルフ界が誇れるんじゃないか」。いわば昭和のAONならぬ平成のRYS。今季合わせて5勝のトリオに「(ビッグ3になる)可能性は高い」と期待を寄せた。
 もっとも、尾崎は「こういう賞は本当は引退してからの方がいい」とこれからも第一線で戦う姿勢を強調。「若手がオレを見てもびびらなくなってきた。スコアも(若手に)負けているという不思議な現象が起きている。若い子と同じくらい飛ばしてアイアンの切れも見せてスコアも良くして勝ちたい」と闘志は衰えていない。
 小学2年の時に尾崎からサインをもらったことでプロゴルファーを目指したと祝福のスピーチで明かした石川は「努力してジャンボさんに少しでも近づけるように頑張りたい。努力した結果、自分も将来、世界殿堂入りということになったらうれしい」と今後も尾崎の偉大な背中を目標に成長していくことを誓った。一方の尾崎も「目標は新しい優勝の2文字。今はどうやったらキヤノン・オープンに勝つしか考えていない」と体の続く限り“RYS”の高い壁であり続けることを宣言した。

 ▼ゴルフ世界殿堂 米フロリダ州にあり、ニクラウスやパーマー(ともに米国)ら偉大な成績を残した選手が選ばれている。今年はメジャー3勝のエルス(南アフリカ)らが新たに殿堂入りした。対象は米ツアーの成績だけでなく、メジャーや米国以外のツアーを対象とした「国際部門」、ゴルフ界の発展に寄与した関係者が選出される「生涯業績部門」もある。

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2010年10月7日のニュース