遼くん練習場 マスターズ芝で世界に照準

[ 2008年12月11日 06:00 ]

テレビマッチスタート前、ヴァンダレイ・シウバを真似て挑発する尾崎将司(左)に笑顔をみせる石川遼

 石川遼(17=パナソニック)が「仮想オーガスタ」でマスターズ制覇への練習を重ねる。現在、地元の埼玉・松伏町に建設中の簡易ゴルフ練習場“遼くんゴルフパーク”に、マスターズが開催されるオーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)と同じ芝とバンカーを用意する計画が判明。目標とするマスターズ優勝のため、自前の練習場をマスターズ仕様にして心おきなくシミュレーションを行う。

 マスターズ制覇への道のりは、地元・松伏町の“プチ・オーガスタ”から始まる。現在、石川の父・勝美氏が地元農家から借り受けた約2500坪(約8250平方メートル)の農地に芝を張り、簡易練習場を建設中。その中のグリーンやバンカーをマスターズ仕様にする計画が明らかになった。

 練習場は地元の子供らに無料開放する一方、ツアープロの石川が満足できる環境も整える。複数あるグリーンの1つにオーガスタと同じベント芝「ペンA2」を張り、高速グリーンを用意する。ペンA2は芝の密度が高く、転がりが素直でスピードが出るタイプ。三井住友VISA太平洋マスターズが行われる太平洋クラブ御殿場コース、フジサンケイ・クラシックが開催される富士桜CCなど、国内でも徐々に取り入れられている。

 さらにグリーン周りの4つのバンカーのうち、2つにオーガスタと同質の白砂をオーストラリアから取り寄せて入れる。ゴルフ場ではなく、わざわざ個人練習施設で使うとなれば非常に珍しい。

 簡易練習場は距離は100ヤードに満たないほどだが、アプローチやパットなど小技の練習には十分な広さがある。トレーニング設備を備えたクラブハウスはすでに完成しており、今オフはそこを拠点にフィジカルトレーニングに励む予定。練習場については芝の根付きを待って来オフから本格稼働する見込みだ。石川は「マスターズと同じなら楽しみですね。難しそうですけど。来オフからは使えると思うし、そんなに焦らなくていいかな」と完成を心待ちにしている様子だった。

 自宅から練習場まで自転車で約10分。日常的にオーガスタの“感触”に触れられるなら、これ以上の練習環境はない。幼い頃からの夢だったマスターズ。「小学生の僕から見ても特別な試合だと分かった」。世界中のゴルファーが夢見るように石川も自然と強いあこがれを抱くようになった。特別招待で来年4月のマスターズ出場が噂されているものの、石川が目指しているのは単なる「出場」ではなく「優勝」。そのための虎の穴が整えられつつある。

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2008年12月11日のニュース