“まるで水着見本市”五輪代表限定ブース

[ 2008年6月6日 06:00 ]

 競泳の北京五輪代表壮行会を兼ねたジャパンオープンは6日から3日間、東京辰巳国際水泳場で行われる。日本水連は代表選手が英スピード社水着「レーザーレーサー」(LZR)や、水連契約の国内3社が5月30日に発表した改良水着をテストしやすいように、プール施設内に初めて水着メーカーのブースを設置した。今大会は各メーカーの水着の出来を競う「水着見本市」となりそうだ。

 水連が異例の水着ブースを用意した。通常、代表クラスの選手は事前に水着メーカーに採寸してもらい、体形に合わせて作ってもらった水着を着用する。しかし、今回はミズノ、アシックス、デサントが5月30日に改良品を発表したばかりで、選手個々に合わせた水着をほとんど用意できなかった。スピード社のLZRも欧州の工場で1日70着しか製造できない希少品で、国内でライセンス契約を結ぶゴールドウイン社にも十分な数がない。各社とも既製品をレンタルで着回さなければならない状態だ。そのため、選手のレース時間に合わせて使用水着を調整できるようにブースで対応することになった。
 プール内の会議室を利用して、各メーカーはブースを設置。今大会には一般の選手も出場しているが、出入りできるのは代表選手に限定される。代表選手は担当者と相談し、サイズや形を選択できるシステムだ。一部の選手から「報道陣や水連には水着の説明があるのに、選手にないのはおかしい」と不満の声が上がっていたが、ここでは水着の機能についてもメーカー担当者から説明を受けられることになった。
 5月15日から4日間行われた米国の競技会サンタクララ招待では会場内に各メーカーが同様のブースを設置。スピード社の前にはレンタルを希望する選手の長蛇の列ができた。水連は10日の常務理事会で契約3社の水着しか五輪で着用することができない、現在の枠組みについて見直しを検討するが、今大会についてはどのメーカーの水着も自由にテストできることを認めている。選手は他の水着を着た選手の結果を見て、今まで使ったことのないメーカーの水着を着ることも可能。どのメーカーのブースに行列ができるか注目だ。

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2008年6月6日のニュース