スッテン大輔…メダル逃げたぁ

[ 2008年3月23日 06:00 ]

男子フリーでジャンプに失敗した高橋大輔

 高橋はメダルにも届かなかった。フィギュアスケートの世界選手権最終日は22日、イエーテボリのスカンジノービアムで男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)で首位に1・70点差の3位につけ、日本男子初の金メダルを目指した高橋大輔(22=関大)は、ジャンプで2度の転倒をし、フリー6位の139・71点、合計は220・11点で4位に終わった。フリー1位の163・07点でSPからの首位を守ったジェフリー・バトル(25=カナダ)が初優勝を果たした。

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 演技を終えると、高橋は腰に手を当てて首をかしげた。氷を降りると目が赤く染まる。「2つのジャンプでミスしたのが凄く悔しい。自分の演技ができなかった。すべてにおいて納得いかないです」とうつむいた。
 冒頭の4回転トーループには成功した。だが、続く4回転―2回転のコンビネーションの4回転でバランスを崩して手をついた。コンビネーションにするはずだった中盤のトリプルアクセルでも転倒。得点源のジャンプを2つ失敗し、逆転圏内で迎えたフリーで本来の演技はできなかった。
 調子は明らかに落ちていた。高橋はオランダでの合宿を経て、1週間前にイエーテボリ入り。大会中に会場入りする男子選手も多い中、氷に慣れることを優先した。しかし「試合までが長く、集中するのが難しかった」。選択は裏目に出た。
 会場入りした当初、絶好調だったジャンプは、徐々に成功率が落ち、フリー当日の午前練習では4回転ジャンプすべてに失敗した。モロゾフ・コーチには「4回転を1回にしよう」と指示されたが「逃げたくなかった」と4回転2回に挑戦。だが、不安を抱えたままでは難しかった。
 8位と惨敗したトリノ五輪での失意からはい上がり、昨年は日本男子歴代最高の銀メダルを獲得した。今年2月の四大陸選手権ではフリー、合計ともに世界最高をマークして優勝した。大会前は公式会見に呼ばれ、地元紙「プンクト」では「日本男子初の王者が誕生するかもしれない」と大きく特集されるほど周囲の期待も高まっていた。日本男子初の金メダルの快挙。浅田真央(中京大中京高)とのアベック優勝…。すべての夢は来年以降に持ち越された。

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2008年3月23日のニュース