早大・五郎丸 初めて泣けたぜ!

[ 2008年1月13日 06:00 ]

「荒ぶる」を歌う(左から)中竹監督、権丈主将、畠山、五郎丸

 【早大26―6慶大】早大の不動のFB五郎丸が、大学ラグビー最後のシーズンを優勝で締めくくった。勝利の瞬間は芝生に倒れ込んで号泣。1、2年で優勝したときは笑顔で歌った“荒ぶる”でも、初めて涙を流した。

 「去年の決勝で負けていたから、うれしいというよりホッとしました」。右ひざの故障で準決勝の帝京大戦は欠場。この日も得意のキックが狙った地点に飛ばずに苦しんだ。それでも試合後は「ケガは関係ない」と言い訳はしなかった。
 春先には中竹監督が導入した前へ飛び出すディフェンスに積極的に取り組んだ。初めは新システムに戸惑いを見せた他の選手も五郎丸に引っ張られ、新しい試みは浸透。チームの誰もが認める男が前年より強気な姿勢を打ち出す中竹監督を「今年は監督自身が自信を持って指導していた」と認めたとき、早大は何があっても揺るがない常勝軍団に生まれ変わった。
 試合前はバッグにこっそりしのばされたプレゼントから勇気をもらった。試合に出場できない4年生が寄せ書きをしたTシャツが入っていたのだ。「“ワセダの15番はおまえしかいない”と書かれていてうれしかった」。チームを最後方から支えてきた男には、見えない仲間の後押しがあった。

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2008年1月13日のニュース