大盛況!日本の国技は悪役でもつ!

[ 2008年1月13日 06:00 ]

初場所初日を前に、両国国技館でおこなわれた土俵祭り

 大相撲初場所が13日、東京・両国国技館で初日を迎える。謹慎処分が解けて3場所ぶりに土俵復帰する横綱・朝青龍(27=高砂部屋)に世間の注目も集まり、初日の入場券は12日の時点で残券がわずか392枚と、若貴ブーム以来となる売れ行きを見せている。また、人気のバロメーターでもある懸賞は初日としては過去最高の119本が懸けられた。ヒール横綱が導いた空前絶後の「朝青龍景気」に、相撲協会は笑いが止まらない?

【初日取組
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 初場所を翌日に控えた両国の街はヒール横綱の復帰を歓迎していた。12日夜、国技館正門横のチケット売り場には、15日間の残券を記したボードに視線を送る人影が絶えなかった。朝青龍が3場所ぶりに土俵復帰。その波及効果は想像以上に大きいものだった。
 12月1日の前売り開始から入場券の売り上げは好調だったが、連日の朝青龍報道でファンの関心も一気に爆発。年明けの9日には例年よりも数日早く、番付表が完売。初日は升席C(9200円)の42枚をのぞいて、すべての前売り入場券が完売した。当日券の350枚を加えても年3回の東京場所初日で前日残券が500枚を割ったのは、若貴ブーム末期だった99年(427枚)以来9年ぶり。協会広報部は「いつも売れ残るイス席B(4900円)が完売したのは初めてかも」とうれしい悲鳴を上げた。
 朝青龍効果はそれだけではなかった。初日にかけられる懸賞はファン投票で選出される森永賞を含めて119本。初日としてはデータが残っている03年以降で史上最多。朝青龍が出場停止中に懸賞を出していなかった4社が復活し、復帰を歓迎していることも影響している。実際、外壁・屋根のリフォームを取り扱う「西日本太洋技建」社(本社=福岡・北九州市)は初日に5本も提供する大盤振る舞いを見せている。場所全体では懸賞は1000本前後の見通しだが「朝青龍が活躍して盛り上がれば、増える可能性は十分」と担当者も期待を寄せている。
 空前絶後の朝青フィーバー。13日の午前8時半から発売される当日券はプラチナ化必至で、混乱を避けるために発売時間を早める可能性も出ている。昨年は問題横綱に泣かされた相撲協会が朝青龍景気に浮かれているのは、何とも皮肉な話だ。

 <相変わらずのマイペース>朝青龍は、11日も高砂部屋には姿を見せず、2日連続で休養した。10日に行われた境川部屋での稽古が最終調整となり、それで十分と判断したようだ。昨年の名古屋場所も場所前は連休しており、独自のペースで調整している。この日は師匠の高砂親方が先代親方の墓参りを行ったが、個人マネジャーは「(墓には)2日に行っています。場所に向けては問題ないということでしょう」と説明した。

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2008年1月13日のニュース