×

新潟・玉川エキップメントマネジャー 加入9年目は苦難のシーズンも、チーム愛を胸に支え続ける

[ 2025年10月8日 04:30 ]

慣れた手つきでシューズにひもを通す玉川氏(アルビレックス新潟提供)
Photo By 提供写真

 サッカー、野球、バスケットボール…。新潟のアスリートたちが脚光を浴びるその裏には、必ず活躍を支えるスタッフがいる。そんな裏方にスポットを当てる企画「裏方のチカラ」の第5回は、アルビレックス新潟で「エキップメントマネジャー」を務めている玉川皓太氏(33)。開幕から波に乗れずJ2降格の危機に陥っているが、加入9年目となる今季もチームを必死に支えている。

 役職名は「エキップメントマネジャー」。日本語では「用具係」で、ポルトガル語では「ホペイロ」だ。チーム全体の用具管理を担うが、ユニホームやスパイクの用意、手入れだけではないのが、この仕事の奥深いところ。今年で9年目の玉川氏は「シューズが奇麗になっている以上に、信頼関係が大切」と言葉に力を込める。

 選手が試合で酷使したシューズを洗うことから1週間が始まる。シューズの素材はさまざまで、天然革は専用のシャンプーやクリームでケア。ニットは高圧洗浄機でしみ抜きをして、新潟・聖籠町でのオフ明けの練習の前には何十足もひもを通す。ボール、すね当て、選手に合った練習着…。全てをそろえて、ピッチではGK練習のサポートなども行う。

 「絶対に忘れられない」というユニホームは、試合3日前には準備をしておく。シューズの加工の要望にも応え、連戦ではこれらの作業を短期間で行う。「どう準備したら効率よく、ストレスなく、みんながスムーズに動けるかが面白い」。当初は苦労していた時間との闘いも、もうコツはつかんでいる。

 他のクラブでは3、4人でこなす業務を、副務の土肥涼氏らと協力して進める。忙しくても、選手の大切な“商売道具”を預かることについては「お互いの関係性があるからやれる」と強調し、コミュニケーションは密に取る。分け隔てなく話しかけ、外国籍の選手にはそれぞれの文化に適した飲食店の情報を教えるなど、友好な関係を築けるように努力する。

 「選手が力を発揮できるサポート」がモットー。今季は開幕から波に乗れず、6月に監督が交代しても降格圏に低迷するなど暗い話題ばかりのチームの中で「自分を信じられない不安もあった」と言い、準備の仕方を変えようとしたこともあった。しかし、堀米主将の「結果を変えられるのは自分たちだけ」という言葉もあり、これまで通りを貫いている。

 玉川氏は「少しでもチームを明るくできれば」と力を込める。どんな状況にあっても、チームへの愛は不変。身近な、話しやすい存在としてチームを支え続ける。(西巻 賢介)

 ◇玉川 皓太(たまかわ・こうた)1992年(平4)6月25日生まれ、新潟市出身の33歳。現役時代はDF。J1新潟の下部組織出身で、同期は渡辺泰広GKコーチ。JAPANサッカーカレッジとアルビレックス新潟シンガポールでプレー。13年に引退後、会社員を経て17年から現職。講習会やキャリア教育の授業の講師なども務める。

 ○…チームは、2日間のオフが明けた7日、聖籠町のアルビレッジで練習を一般公開して行った。残り5試合。監督就任後、3分け10敗と勝利がなく、苦悩が続く入江徹監督は「ボール保持より、相手のゴールに行くためにどうルートをつくるかが大事。この現状を何とか打開したい。その一心」と攻撃を重視する方針を示す。2分け1敗のここ3試合は個の能力に頼らず、流動的に人が動いて前進する攻撃を展開。「選手同士のタイミング、考え方がかなり重要。細かい部分が少しずつ分かり合えてきている」と手応えも語った。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

サッカーの2025年10月8日のニュース