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“1人3役”の鹿島・柴崎新主将が決意 「10番の力を示したい」

[ 2024年1月23日 05:00 ]

新主将に就任した思いを語る鹿島MF柴崎
Photo By スポニチ

 鹿島の新主将に就任した元日本代表MF柴崎岳(31)がこのほど、茨城県鹿嶋市内のクラブハウスで取材に応じた。主将のみならず選手会長、背番号10を背負う“1人3役”のマルチタスクを任された31歳のベテランは「鹿島が良いシーズンを送れるように、しっかりとその力を示したい」と意気込みを語った。

 新たにランコ・ポポヴィッチ監督(56)を迎えたチームは今月9日に始動。練習では常に先頭を走る柴崎の姿があった。「チームとしてもモチベーション高く練習できている」と手応えを口にする。

 プロ入りしてから初めて主将の重責を担うことになった。ポポヴィッチ監督からも就任要請があったといい、引き受けることにした。過去にキャプテンマークを巻いたことは何度もあるが、プロ入り14年目にして初めてプロチームの主将を務めることになった「やって欲しいと言われたので…でも断る理由はなかった」ときっぱり。副主将にはFW鈴木優磨(27)、DF植田直通(29)といった鹿島を知る選手が脇を固めたことも後押しになった。「人より経験を積んでいるけど一長一短がある。足りない部分は副主将が補ってくれる。自分1人というよりはみんなで良い物を作り上げていきたいと思っている」と所信表明する。

 背番号も20番から、16年以来となる10番に変更した。昨季まで10番を付けていたMF荒木遼太郎(22)がFC東京へ期限付き移籍。当初は空き番となる予定だったが、鹿島の10番がいないという状況に違和感もあった。「何か欠けているような感じも受けた」

 ジーコに始まり、レオナルド、ビスマルク、本山雅志ら名選手たちが付けた背番号10。今年で32歳になる自分が付けることが正解なのか、自問自答した。できれば新時代を担う若手選手に付けて欲しいという思いもあったが、空き番になるなら責任と覚悟を持って背負うことを決意した。「鹿島の10番は歴史的に見てもチームを勝利に導く選手という意味づけがある。そこにベテランも若手も関係ないかと思った。誰かが背負わなきゃいけないし、ある程度覚悟を持って決めた」と明かした。

 11年に青森山田高から鹿島に入団し、16年のJ1制覇などに貢献。17年1月にテネリフェ移籍。スペインで7季を過ごし、昨夏に古巣復帰した。ただ、左脚の負傷もあってリーグ戦は3試合の出場にとどまった。「いきなり入ってやった中でのケガ。日本の練習環境、強度もあるし、スタートではうまくアジャストできなかった。難しさを感じたシーズンだった」と振り返った。

 オフはケガに対するリハビリや強化を時間をかけて取り組めたという。シーズン終了後もクリスマスまでクラブのスタッフらの協力のもとでトレーニングを継続してきた。「数値的にも向上している。今の状態には満足しているし、もっと良くなると感じてますね」

 今月8日には全国高校サッカー選手権の決勝戦を国立競技場で観戦。母校の青森山田の活躍に心を打たれた。特に左サイドバックの小沼蒼珠(2年)が猛然と駆け上がってカウンターを仕掛ける場面に「(青森の)雪が見えましたね。ちらっと。僕だけだと思うんですけど、感慨深い」と高校時代を懐かしんでいた。

 チームは23日に宮崎キャンプに出発する。21日の新体制発表会では満員のサポーターに向かって「選手会長、主将、10番と忙しいと思うが、今季タイトルを獲りたいという覚悟の表れ」と決意も語った。文字通り、鹿島を背負って戦う柴崎の新シーズンが始まろうとしている。

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2024年1月23日のニュース