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【槙野智章氏が語るポイント】過酷な環境、異様な雰囲気にのまれるな 21日W杯アジア2次予選シリア戦

[ 2023年11月18日 05:30 ]

元サッカー日本代表の槙野智章氏
Photo By スポニチ

 シリア戦の舞台は中立地のサウジアラビアに移る。日本代表は同地での試合に過去5戦全敗のデータが残る。17年9月の試合を経験した元日本代表DFの槙野智章氏(36)が中東の地の特徴や警戒すべきポイントを挙げた。

 日本代表がサウジアラビアの地で一度も勝っていないのは意外ですが、僕も17年9月に同地で試合をした経験があり、スタジアムの雰囲気や熱気が凄かったのは覚えています。今回の相手はシリア。当然、実力もサポーターの数も違いますが、中東勢の特徴としては、ボールを持っただけでもスタジアムが沸きますし、何げないプレーで盛り上がる異様さはありますね。

 当たり前ですが暑さや湿度での消耗は激しいです。僕の時は現地時間午後8時30分キックオフでしたが、ベンチに座っていてもつらかった。シリア戦は同5時45分。より過酷な状態であるのは明白。シリアには2試合連続サウジアラビアの地で試合ができるアドバンテージもあります。意識が高い選手ばかりなので心配はしていないですが、小まめな水分補給はマスト。僕は尿比重検査を行って、脱水気味かどうかを測っていました。

 森保監督も口にしていましたが、アジアの戦いは甘くない。日本代表対策を立ててくる相手ばかり。警戒されるでしょうし、思ったような展開ばかりにはなりません。訳の分からないシュートやドリブルでスタジアムが盛り上がることもある。そういえば、相手はパントキックではなくパンチングでハーフウエーラインまで飛ばす“名物GK”イブラヒム・アルマが健在ですね。僕の時も驚きましたが、そういうのにも惑わされないこと。環境面への適応と、我慢強さがポイントになってくると思います。

 その意味ではミャンマー戦で“温存”されたDF冨安健洋、MF遠藤航ら、センターラインの選手がW杯を経験しているのは大きい。彼らがどれだけチームに落ち着きをもたらせるかが重要になります。(元日本代表DF)


 ▽17年9月5日の対サウジアラビア ハリルホジッチ監督率いる日本代表はオーストラリア戦(8月31日)で快勝し、6大会連続W杯出場を決めた直後。対してサウジアラビアは予選突破がかかった一戦で、キング・アブドゥッラー・スポーツシティスタジアムには6万2165人が集まった。気温30度超、湿度70%超の完全アウェーの中、MF本田圭佑やFW岡崎慎司ら主力が出場したが後半18分に失点して0―1で敗れた。今回のシリア戦は2万7000人収容のプリンス・アブドゥッラー・アル・ファイサル・スタジアムで開催される。

 ▽W杯アジア予選シリア戦VTR 18年W杯ロシア大会2次予選で同組。15年10月のアウェー戦は中立地オマーンで開催され、本田圭佑や岡崎慎司の得点で3―0勝利。16年3月のホーム戦では香川真司の2得点など5―0で圧勝した。

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