×

昨年の60M弾に匹敵!広島・川村のとんでもない50メートル独走弾「道が開けてあった」

[ 2023年6月5日 06:00 ]

明治安田生命J1第16節   広島3-1京都 ( 2023年6月4日    Eスタ )

 サポーターから贈られた日の丸の寄せ書きを手に、撮影に応じる広島の川村(左)と大迫=Eスタ
Photo By 共同

 明治安田生命J1リーグは各地で2試合が行われた。広島は日本代表に初選出されたMF川村拓夢(23)が2―1で迎えた後半のアディショナルタイムに自陣からドリブルで仕掛け、50メートル独走。最後は左足で押し込み、今季3ゴール目を挙げた。京都に3―1で快勝し、首位の神戸と4差の勝ち点29とした。

 昨年Jリーグ年間最優秀ゴール賞を受賞した60メートル級ロングシュートに匹敵する、とんでもないゴールが再び生まれた。1点リードの後半アディショナルタイム。「前を向いた時に道が開けてあった」。自陣でこぼれ球を拾った川村は、同じく日本代表初選出の京都MF川崎らのマークを振り切って敵陣に侵入。3人を抜き去って50メートルを独走し、最後は左足で流し込んだ。

 「相手も疲れていたし、持ち出せば抜けると思っていた。2―1だと何があるか分からないので、狙いにいきました。あの時間帯でも走り切れるのは、自分の良さです」

 トドメの一発も圧巻だったが、90分間を通したスタッツも圧巻だ。総走行距離11キロ352メートル、スプリント回数23回。5月31日の浦和戦から中3日で「連戦だったので機能しなかった。反省」と口にしたが、ともにチームトップの数値を叩き出した。前半はシャドー、後半はボランチにポジションを変更したが、シュート数5本も両チーム最多だった。

 5月25日に発表された日本代表メンバーに初選出された直後は、気負う部分もあったという。だが試合をこなすごとに「自分らしさを出せるようになってきました」と“重圧”にも順応してきた。1メートル83の長身で左利き。昨年の60メートルシュートのようなパンチ力と運動量も兼備しておりウイングバックも含めて複数のポジションをこなせるのも魅力。

 森保ジャパンのボランチには遠藤や守田、攻撃的MFには鎌田や久保らがそろう。それでも底知れぬポテンシャルを持つレフティーが序列を覆す可能性は決してゼロではない。 (飯間 健)

 ◇川村 拓夢(かわむら・たくむ)1999年(平11)8月28日生まれ、広島県広島市出身の23歳。中学から広島アカデミーで育ち、18年にトップ昇格。J2愛媛での3年間の武者修行を経て22年に復帰。同年9月3日清水戦での60メートル級ゴールは、同年のJリーグ年間最優秀ゴールに選出された。1メートル83、72キロ。利き足は左。

《大迫も勝利に貢献》
 ○…5月31日の浦和戦で右膝を打撲し出場が危ぶまれた日本代表GK大迫は、最少失点で2試合ぶりの勝利に貢献した。3日の練習も別調整だったが「前回は迷惑を掛けた。自分がこのチームのゴールマウスを守るという気持ちだった」と出場を決断。後半14分の茶島の先制点はピンポイントのフィードで起点となり、後半39分に訪れた決定的なピンチは右手1本で好セーブするなど躍動した。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

2023年6月5日のニュース