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梅山修氏 J1新潟、鹿島のプランにハマる

[ 2023年4月25日 04:31 ]

<新潟・鹿島>前半、クロスに合わせる谷口(左)
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 【元アルビ・梅山チェック 新潟0―2鹿島】今や“新潟らしさ”と言えば、新潟ファンでなくても想像がつくであろう「ボールを握りながら背後を突いていく」スタイルはほとんど見られなかった。とはいえ新潟が悪かったというよりも、前節のほとんどの時間で新潟が何もできなかった福岡戦を参考にしたかのような鹿島のゲームプランがうまくハマった試合と言えるだろう。

 鹿島は攻撃では2トップを起点にし、そこにクロスを送り込む。守備では試合開始直後は圧をかけ、その後は下がって構える。自陣ではリスクを冒さず長いボールでエリアを挽回し、終盤はDFを増やして逃げ切る。端的に言うとそんな流れだった。

 前半のうちに2点のリードを許した新潟も後半に高木、藤原、ネスカウの3枚替えで刻々と時間が過ぎていく状況の打開を試みるが流れを変えるまでには至らなかった。

 2つの失点についても、おそらく鹿島の狙いだったであろうクロスからのもの。深い位置まで進入しなくてもクロスを送り込む意識が共有されていたのだろう。いずれも新潟の4人のDFラインが乱れてコントロールされていない状況で決められている。

 特に1点目は小島の判断ミスと指摘するのは短絡的すぎるかもしれない。そもそもどのようにボールロストしたのかという点では、SBとSHがタッチラインに沿って縦に一直線の関係では相手に狙われやすい状況だったし、もしヘディングシュートした相手がいたスペースに、直前に中に絞ってそこを空けていた新井がいたらどうだったか?舞行龍がボールと相手を同一視でき、最後は競り合うことができるポジションをきちんと取っていたらどうだったか?いくつか検証すべき点はあるからだ。

 2点目もクロスに起因してDFラインのポジショニングに大きな混乱があった。

 34試合のリーグ戦とその他にもカップ戦などを戦う長いシーズンでは、常に自分たちのリズムで進められるとは限らない。逆にうまくいかない時に、その期間を短くするための準備は常にしておくことができる。そういう意味では“自分たちのスタイル”という立ち返る場所が明確に確立されている今の新潟の本領は、ここから発揮されるとみている。(アルティスタ浅間監督)

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2023年4月25日のニュース