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Rソシエダ・久保 リーガ日本人最多ゴール 乾超え6得点「スペイン人が6点決めるのと違う」

[ 2023年4月10日 04:38 ]

<Rソシエダード・ヘタフェ>後半、ゴールを決め、喜ぶレアル・ソシエダードの久保(右)=共同
Photo By 共同

 レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(21)が8日、ホームのヘタフェ戦でリーグ戦6点目を決め、日本人選手のスペイン1部のシーズン最多得点記録を更新した。乾貴士(34=J2清水)がエイバル時代の17~18年に残した5点を抜き、2―0の勝利に貢献。来季欧州チャンピオンズリーグ出場権が懸かる終盤戦に弾みをつけた。

 久保がスペインで新たな一歩をしるした。日本人シーズン最多の6得点。ランキングはリーグ21位に過ぎないが「スペイン人が6点決めるのと日本人が決めるのは違うはず」と久保。「最も得点した日本人になったことはうれしい」と笑った。

 1―0の後半15分、左サイドから好機が生まれそうな気配を感じ取り、右寄りの位置から素早くゴール前に進入。折り返しを呼び込んで左足で流し込み、歴史の扉を開いた。

 過去に中村俊輔(09~10年、エスパニョール)らが挑んできたスペインで、日本人選手は苦闘の連続だった。その理由を久保はスペインメディアに「言語と文化の違い。僕は少し状況が違う」と語ったことがある。自身は10~13歳にバルセロナの下部組織で活動。意思疎通は問題なく、自己主張が重要な環境にも慣れ親しんできた。

 「自分は他の日本人よりもオープンで自己欲求が強い。日本人はその国に敬意を払う文化があるけど、それではスペインでサッカーをやるには状況が難しくなる」

 そんな久保でさえ期限付き移籍を繰り返した昨季までは苦しい時期を過ごしてきたが、Rソシエダードに完全移籍した今季は主軸に定着。最近の公式戦10試合でチームは久保が得点した3試合しか勝てないという存在感で、ムンド・デポルティボ紙は「久保はレパラドール(修理工)のよう。状況が悪化し、行き詰まった時に現れる」と称えた。残り10試合で来季欧州CL出場圏の4位を守れるか。日本代表アタッカーへの期待は高まるばかりだ。

 ≪森保監督も評価≫名古屋―浦和戦を視察した日本代表の森保監督が、スペイン1部の日本人最多得点を更新したMF久保に言及した。ゴール映像も見たという指揮官は「ペナルティーエリア内に進入するという意識が非常に上がっている」と評価。「得点に対するこだわりと周りとの連係のスムーズさが出ている」とも分析し、東京五輪とW杯カタール大会をともに戦った若きアタッカーの成長に目を細めた。

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