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代表先発定着へ、ブライトン・三笘の第“1歩” プレミア移籍後初フル出場、3発快勝に貢献

[ 2022年12月28日 04:30 ]

プレミアリーグ   ブライトン3-1サウサンプトン ( 2022年12月26日    サウサンプトン )

<ブライトン・サウザンプトン>競り合うブライトンの三笘(右)=共同
Photo By 共同

 W杯カタール大会に出場したブライトン(イングランド)の日本代表MF三笘薫(25)が26日、W杯による中断期間明けのリーグ再開初戦で初のフル出場を果たした。3―1で制した敵地のサウサンプトン戦に中盤の左サイドで先発。持ち味のドリブルで存在感を示し、4年後のW杯を見据えた代表での先発奪取へ好スタートを切った。

 ゴールに絡まなくても場内を沸かせ、欠かせない戦力として試合終了までピッチに立つ。三笘がブライトンでかけがえのない存在になりつつあることを示した。

 「W杯後のチームでの感触はいいものがある。そこの信頼は少し増えたなと感じています」と三笘は振り返った。開始3分で左サイドをドリブルで切り裂いてシュートを放つと、その後も積極的に仕掛けて攻撃を活性化させた。サイドバックとも好連係を見せ「高い位置を取れる。攻撃に専念できるのは凄く助かる」と手応えを口にし、地元メディアのサセックス・エクスプレスは「頼もしいプレー」と称え、得点者並みに8点と高く評価した。

 世界最高峰のプレミアリーグで初出場は開幕2戦目で、初先発は主力が欠場した12戦目。そして世界に存在を示したW杯後、15戦目でついにフル出場を果たした。この日は元サウサンプトンの日本代表DF吉田が観戦。取材エリアで「90分出て素晴らしいね。60分ぐらいで代わると思っていた」と冗談交じりに声をかけられた。三笘も「俺もっす!」と応じたが、デゼルビ監督や周囲の信頼と期待が増している証と言える。

 W杯はスペイン戦で決勝点をアシストした「三笘の1ミリ」が大反響を呼んだ。「いろんな人が感動してくれるのはなかなかない」と語った一方で「もう過去のこと」と未来を見据えた。森保監督の続投が決定的な日本代表で、スーパーサブから先発奪取を狙う。「1試合の重みが違う。一瞬で終わるというのを凄く感じた」という4年に1度の舞台でさらに輝くため、三笘が確かな一歩を踏みしめた。(田嶋 康輔通信員)

 ▽W杯カタール大会の三笘 体調不良でチーム合流が遅れ、ぶっつけ本番で全4試合に途中出場した。

 1次リーグのドイツ戦は後半12分、コスタリカ戦は後半17分から出場。スペイン戦は後半開始からピッチに入り、同点の同6分に堂安のパスを左ゴールライン際ぎりぎりで折り返し、田中の決勝点をアシスト。最新技術によるVARでインプレーと判定され話題を呼んだ。

 決勝トーナメント1回戦クロアチア戦は後半19分から出場し延長戦ではピッチを縦断しミドルシュート。PK戦は2番手を務めるもGKにセーブを許し、敗れた責任を背負い涙を流した。

 ≪古巣訪問の麻也が観戦「60分くらいで代わると…」≫シャルケのDF吉田が20年1月まで在籍したサウサンプトンのホームを訪れ、ブライトン戦を観戦した。

 元チームメートと旧交を温めた一方、三笘を「良かった。プレミアリーグでやっているのが凄い」と称賛。自身も7季半にわたってプレーしたが「離れてから(凄さが)分かった」と世界最高峰と言われるリーグで存在感を示す日本代表の後輩に脱帽の様子だった。

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