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【森保Jの26人】田中碧 飽くなき探求心を持つ努力家

[ 2022年11月8日 04:30 ]

日本代表MF田中碧
Photo By スポニチ

 「努力の天才」。MF田中について、川崎FU―18時代に監督として指導した今野章氏(現U―15Bコーチ)は表現する。「(三笘)薫とは違った天才。普通のような選手でも、ああやって鍛えていくと川崎Fのプロになっていくのだと、驚きと基準みたいなものをつくってくれた」。

 U―18在籍時、1学年上には三笘、2学年上には三好という圧巻の才能を放つ別格の存在がいた。「(最初に)パッと見た時にボールを刈れる能力は凄かったので、もしかしたらプロになるんじゃないのかなと感じた」と同氏。より目立っていた先輩2人の陰で田中は抜群の吸収力で成長していった。

 練習前後にはいつも体幹などを鍛える自主トレに励んだ。トップチームの練習に参加すれば、器具が少ない環境でもできる筋トレをトレーナーに聞いて持ち帰った。プロ入りを見据え、食事の量は人一倍。遠征先で試合日にも食べ過ぎて「将来的には体を大きくするのはいいんだけど、今日は試合だから」とトレーナーに注意されたというこぼれ話もある。

 野球選手の山本昌氏が講演に来れば、話だけでは飽き足らず、本まで購入して姿勢を吸収しようとした。田中自身、「人と同じことをしても勝てないことが小さい頃から分かっていた。何げないところで差を縮めることは凄く意識していた」と話す。人一倍の努力をし続け、器を大きくしていった。

 ◇田中 碧(たなか・あお)1998年(平10)9月10日生まれ、川崎市出身の24歳。小3で川崎Fの下部組織に入団。17年にトップ昇格。昨夏ドイツ2部デュッセルドルフに移籍。東京五輪は全6試合に出場。国際Aマッチ14試合2得点。1メートル80、75キロ。

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2022年11月8日のニュース