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J2新潟 秋田ゾーンディフェンスの弱点突いた CKから“賢い”先制点

[ 2022年6月21日 05:00 ]

<新潟・秋田>先制ゴールの起点となった新潟・田上
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 【元アルビ・梅山チェック 19日新潟3―0秋田】第22節はリーグ戦の折り返し初戦。前回の対戦では0―1で敗れた秋田をホームに迎えた一戦は、3―0で新潟がリベンジとホーム10連勝を果たした。

 ボールを保持しながらゴールを目指す新潟と、保持には全くこだわらずに奪って速くゴールを目指す秋田。勝利の目指し方が明確に違うチーム同士の戦いは予想通り、前半のボール保持率は新潟が75%占めた。しかし、サッカーではボール保持率が試合の主導権や優位性を代弁するものではない。

 実際、ボール保持していたエリアは大半が相手の強固な守備ブロックの外側であり、何度か田上や島田らが勇気を持って縦や斜めにくさびを打ち込むが、待ち構える相手にとってはそれがカウンターのスイッチになるリスクをはらんでいて、必ずしも新潟ペースとは言えなかった。それでも勝ち点を重ねられるのが優勝を争うチームの条件といえるが、新潟はその条件を持っていることをこの試合でも証明した形となった。

 前半15分の先制点となったCKがその一つだ。高木から放たれたボールは一度クリアされたものの、セカンドボールを回収した田上のシュートが相手に当たってゴールラインを割りそうに。だが、本間がボールを残して再度ゴール前に送り、松田がヘディングでネットを揺らした。

 ここでのポイントは2つ。一つはそのまま流しても再び新潟ボールのCKだったが、本間が流さなかったことで相手の足が止まっていたこと。もう一つは、秋田の守備がマンツーマンではなくゾーンディフェンスだったこと。ゾーンの場合、セカンドボールを拾われた時に、人に対するマークがあいまいになる。実際に飛び込んだ松田は完全にフリーで、相手の弱点を突いた形だ。後半7分のCKで遠いサイドの田上に合わせたのも、ゾーンで守る相手の体の向きを一度反転させることで中にフリーをつくる意図もあったことがうかがえる。

 後半はパスをひっかけられるエリアが前半よりも低くなり、より早くペナルティーエリアに進入される機会が増え、押す秋田とその裏を返そうとする新潟の時間が増えた。しかしこの流れがより速い攻撃の意識、つまりカウンターの意識を高め31分に松田がGKと1対1になったシーンや、2、3点目につながったと言えるだろう。

 このように、ボールを保持してもしていなくても、あるいは流れが良くても悪くても、賢くゴールと勝ち点を積み重ねていくたくましさが今の新潟にはある。

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