より速く、より強く――リーグ3連覇へ挑む川崎Fが今季、19年の悔いから目指す進化とは
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いよいよ12日の富士フイルム・スーパー杯を皮切りに、国内サッカーのシーズンが開幕する。昨季天皇杯覇者の浦和と対戦するのはJ1王者の川崎F。この試合での公式戦初白星を出発点に、J1の3連覇、ACL初制覇と全タイトル獲得を目指していくクラブには今季、掲げるテーマがある。
「スピードアップ」
鬼木達監督は言う。
「スピードのところ、今年はそこを大事にしていきたい。単純なスピードもそうですけど、考えるスピードもそうであれば、パススピードもそうですし、いろんなところのスピードに関して意識してやっていきたい」
なぜ、スピードなのか。なぜ、変化させないといけないのか。背景には3シーズン前の悔いがある。
初めて3連覇に臨んだ19年、相手の研究や対策にも苦しんだチームは結果的に4位に沈んだ。「いろんな方から“3連覇は一番難しい”という話をされていて。当然、長い歴史の中で鹿島しかしていないことが物語っているんですけど、どこかで“ほんとに難しいんだろうな”という頭が自分の中でもあって。そういう頭がどこかに、チームとしてもあったのかなと。もっと自分にできたことあったんじゃないのかなと」。指揮官自身が後悔していたからこそ、昨季再び連覇したときは胸が高鳴った。
「難しいのは分かっていますけど、選手もそうですけど自分自身も頭の中をもう一回リセットして、相手を常に上回っていくサッカーをやらなくてはいけないんだなと改めて思っていたので(その機会が)やっと来た、と」
「リセット」という言葉を発した指揮官の思いに呼応するように、FW小林悠もまた「あのとき(19年)は2連覇してそのままの実力でやれば3連覇できると思っていたので、その考え自体が間違っていた。まず、昨年のことはなかったと考えたほうがいい。攻撃のやり方も守備のやり方も新しいことにチャレンジしていかないと、相手も対策を練ってくる。それを上回ることが3連覇に近づく」と力を込めた。
そして今季。変化を目指す鬼木監督が掲げたテーマこそ「スピードアップ」だった。
なぜスピードなのかの理由について指揮官は「(昨季)自分の見落としていた部分でもある」という点に加え、「世界のサッカーを見ると、より速くなっている印象もある」という点を挙げた。
スピードが指す範囲は広い。パスの速さ、ポジションを取る動きの速さ、判断の早さ。サッカーのあらゆる局面でスピードは求められ、武器となる。また、ときには緩急も必要となる。
「スピードを上げると言っても、いろんなスピードがある。とにかく考えるスピードは求めていきたい。考えるためには材料が必要。そうすると周りを見ておく作業がある。じゃあ何を見るんだと。細かいところを理解し、なおかつ全体像を把握しながらできればスピードは上がってくる」。1月17日の始動以降、指揮官はトレーニングで実践的に落とし込みながら、選手との対話の中でも意識の変化を促してきた。
沖縄キャンプの初日には、手でパス回しを行う新加入選手らの練習に交じり、「テンポを上げよう」と判断の早さを求める場面もあった。川崎Fならではの“止めて蹴る”の高水準がベースにある中で「みんな感覚的なものは持っている。それを感覚だけではなくて頭の中で理解して整理して、なんでそういう動きが必要なのかなどを共有していけると、チームの共有の材料になる。みんなのイメージが合うとスピードにつながってくるので、イメージの共有は大事」と意図を説明した。
選手の側も、変化を前向きに捉えている。昨季のリーグMVP&得点王に輝いたFWレアンドロ・ダミアンは、「世界のサッカーを見てもスピード感は重要視されている。単純にパススピードを上げていくことで一気に相手のゴール前までボールを運べるようになれば、チャンスもより増えていく。チームとして元々パスのスタイルはあったので、基準を上げていくことでより強いチームになっていく」と歓迎。MF大島僚太も「いろんな部分で自分自身を向上させたい。目に見えるボールスピードはすぐには変えられないかもしれないけど、意識することで1年を通して見たらだいぶ変わっていたりするのかなと思って、チーム全体で取り組んでいる」と意欲的に話した。
また小林は、パススピードが上がることで自身の長所をより生かせると捉える。「ゴール前でむちゃくちゃなくさびや、速いパスを入れてこられたときに、相手がボールスピードに対応できなければ、あとは自分が止めるか止めないかでシュートまで持っていけるかの差になってくる。昨年も“今このタイミングで速いパスを入れてくれれば自分なら止めてシュートに持っていけるのにな”というシーンがあった。そういうものを今年はどんどん入れてきてもらって、あとは自分次第、止める技術で勝負していく」とイメージを膨らませた。
鬼木監督は今季で就任6年目を迎えた。スタイルの進化は目指しつつつも、一貫し続けているのは見る人もする人も魅了するサッカーをすることだ。「自分たちのサポーターだけではなく、相手のサポーターや初めてサッカーを見る人にも、“フロンターレのサッカー見たいな”って思ってもらえるようなサッカーを展開していきたい。自分たちもそうですし選手も楽しめるサッカーをしていきたい。そこに尽きるかなと」。軸は変わらない。だからこそ今季も「1試合3得点」の目標を継続する。「得点が見ている人を喜ばすことや人の心を動かすことに一番直結するものだと思っているので、こだわり続けたい」と話す。
芯はぶれず、より速く。クラブ初の偉業にも、今季は果敢に立ち向かっていく。(記者コラム・波多野 詩菜)
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