U24日本 1次リーグ突破へ王手 メキシコの弱点見抜いた堂安と久保の信頼感から生まれた先制弾
東京五輪第3日 男子サッカー1次リーグA組 日本2ー1メキシコ ( 2021年7月25日 埼玉スタジアム )
2大会ぶりの1次リーグ突破へ王手をかけた。サッカー男子代表は25日、1次リーグA組第2戦でメキシコに2―1で勝利。MF久保建英(20=Rマドリード)とMF堂安律(23=PSVアイントホーフェン)の両エースがそろってゴールを決め、12年ロンドン五輪金メダルの難敵を破った。2連勝で勝ち点を6に伸ばしてA組首位に立ち、28日の最終戦でフランスに引き分け以上なら自力で準々決勝進出が決まる。
黄金の月に照らされたピッチで、2人の息と意図がかみ合った。前半6分、まず久保が難敵を驚かせる先制弾。「素晴らしいパスが来たので決めるだけだった」と言えば、アシストの堂安は「俺がトップ下にいたらあそこに入るだろうと信頼感があった。合わせた方がうまい」と称えた。
相手の左SBは普段は中盤という事前情報があった。背後への対処が弱点と見抜いた堂安は、吉田や酒井に「最初の1分は背後に蹴ってくれ」と伝えていた。その通りに酒井の縦パスに抜け出してのアシストに「まさかあんなにうまくいくとは思わなかった」。中央で受けた久保も秀逸だった。DFと競り合いながら滑り込み、「あのままインサイドで打ったら右に流れてしまうな」と瞬時にアウトサイドでのシュートを選択。「凄くいいGKですけど、僕もスペインで凄くいいGKとやっている」とW杯4大会連続出場の36歳オチョアから鮮やかに2戦連続得点を奪った。
先制から5分後に相馬が倒されてVAR判定で得たPKをど真ん中に蹴り込んだ堂安は「もし相手が真ん中に立っていれば相手の度胸勝ち。度胸試しなら負けないぞと思いながら(打った)」と強心臓ぶりも発揮。初戦前から「2人で引っ張っていこう」と言い合った2人が有言実行のアベック弾を決めた。
「これだけ“チームのために”というのも今までの人生で考えたことがない」と堂安が言えば、次のフランス戦で日本男子で五輪史上初の3戦連発が懸かる久保も「傲慢(ごうまん)にならずにチームの勝ちだけを目指していきたい」。抜きんでた個の力を持ちながらチームプレーに徹する2人の至宝が、金ロードを突き進む。(波多野 詩菜)
○…日本の連勝スタートは00、12年に次ぎ3度目。現方式となった96年以降、1次Lで連勝発進した13チームは全て決勝トーナメントに進出しており、突破率は100%。
○…久保が初戦から2戦連発。日本では64年杉山隆一、16年浅野拓磨に次ぎ3人目。
▽日本の決勝トーナメント進出条件 1次リーグは各組上位2カ国が決勝Tに進出する。日本はフランスに○か△ならA組1位での突破が決定。●の場合でもメキシコ△●で突破。メキシコ○の場合は3チームが勝ち点6で並ぶが、日本が1点差での●ならフランスを得失点差で上回るため2位以内が決まる。
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