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そのパスまさに“プレミアム”ジョルジーニョ樹立「1試合180本」リーグ新記録

[ 2018年9月25日 08:30 ]

プレミアリーグ   チェルシー0―0ウェストハム ( 2018年9月23日 )

<ウェストハム・チェルシー>ジョルジーニョ(右)が相手とボールを競り合う(AP)
Photo By AP

 プレミアリーグに“新パスマスター”が誕生した。チェルシーのイタリア代表MFジョルジーニョ(26)が23日、ロンドンダービーの敵地ウェストハム戦でパス180本をマークし、プレミアリーグ新記録を樹立。試合は0―0で引き分けて開幕6連勝は逃したが、マウリツィオ・サリ新監督(59)とともに、今夏にナポリから加入した司令塔は攻撃サッカーの中心として好発進の立役者となっている。

 パスで試合を支配した。チェルシーの攻撃の起点はアンカーのジョルジーニョ。4―3―3の中盤の底から長短自在のパスを繰り出し、90分で計180本をマークした。英統計会社オプタによると、統計を開始した03年以降でプレミアリーグ新記録。ボールタッチ数191回も新記録で地元紙ガーディアンは「史上最高レベルのプレー」と絶賛した。

 イタリアのパスの名手が「セリエAとはリズム、フィジカル的にかなり違うが楽しい」と世界最高峰舞台でも実力を発揮している。今夏にナポリからチェルシーに加入し、開幕6試合でパス総本数689本、ボールタッチ数749回はともにリーグ1位。8月26日にはFW武藤のニューカッスルを相手にパス173本をマークし、1人で相手チーム全体の158本を超えた。

 サリ新監督の秘蔵っ子だ。昨季王者マンチェスターCからのオファーを蹴り「自分にとって重要な存在」とナポリでコンビを組んだ恩師の下でプレーすることを選択した。新天地でも“サリズム”と呼ばれる攻撃サッカーの心臓。ボールを支配し細かくパスをつなぐだけでなく、速い縦パスで攻撃のスイッチを入れる。イタリア人指揮官は「彼の最も重要な資質は判断の早さ。だからボールを速く動かせる」と司令塔に全幅の信頼を寄せる。

 背番号5を中心にしたチームの攻撃力はデータに表れており、開幕5試合でボール保持率71%、パス成功数669本(ともに1試合平均)はリーグ1位。堅守速攻が中心だったコンテ前監督時代の昨季55%、472本から大幅にアップした。

 次節29日の相手は首位リバプール。開幕6連勝中の強豪相手に、ジョルジーニョと新生チェルシーの真価が問われる。

 ◆ジョルジーニョ(本名ジョルジ・ルイス・フレーロ・フィーリョ)☆生まれ 1991年12月20日生まれ、ブラジル出身の26歳。15歳で祖父母の出身地イタリアに移住。

 ☆キャリア ベローナの下部組織出身。期限付き移籍を経て11年に当時セリエBのトップチームでデビュー。13〜14年に12季ぶりセリエA昇格に貢献。14年1月にナポリ移籍。今年7月に移籍金5700万ポンド(約84億円)でチェルシー加入。

 ☆家族 6歳の時に両親が離婚。子供の頃はアマ選手だった母マリアテレサさんからサッカーを習った。

 ☆代表 二重国籍のブラジルでもプレーできたが、14年にイタリアを選択。16年3月に親善試合スペイン戦でデビュー。国際Aマッチ10試合1得点。

 ☆サイズ 1メートル80、67キロ。利き足は右。

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2018年9月25日のニュース