伊の名将マンドルリーニ氏 J視察で日本の虜、成長へ改善点も語る
イタリア人指揮官のアンドレア・マンドルリーニ氏(57)がスポニチ本紙のインタビューに応じ、視察したJリーグを分析した。親交の深い元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏(64)の薦めもあり、今月に初来日。現役時代は名門インテル・ミラノで活躍し、指導者としてはセリエAの古豪・ベローナで数々の記録を打ち立てた同氏は、将来Jリーグでの指導も希望しており、今回はJ1を中心に5試合を視察し、日本サッカー界のさらなる成長へ改善点なども語った。
今回が初来日だったマンドルリーニ氏だが、滞在1週間で、すでに日本の虜になっていた。「初めて来て、本当に日本が素晴らしい国であることを実感しました。国民性もそうですが、町もすべてが整備されている。日本食も本当に美味しいです」
マンドルリーニ氏は、イタリアではサッカー界はもちろん、誰もがその名を知る著名人。現役時代はDFとしてセリエA通算291試合出場を誇り、主に84〜91年シーズンまで7季に渡ってプレーしたインテル・ミラノで活躍。元西ドイツ代表のMFマテウス、FWクリンスマン、DFブレーメのドイツ人トリオらとともにプレーし、88〜89年シーズンにはリーグ優勝、90〜91年シーズンにはUEFA杯(欧州リーグの前身)を制覇した輝かしい経歴の持ち主だ。
93年に現役を引退したあとは、監督としてのキャリアをスタート。セリエCで徐々に経験を積み、セリエAではアタランタ、シエナなどの指揮官を歴任。09〜10年シーズンに就任したルーマニア1部のクルジュでは、同国では外国人監督として初のリーグ制覇を果たしたほか、国内杯、同国スーパー杯も制し3冠を達成した。
指揮官としてもっとも手腕を発揮したのは、10〜11年シーズン途中から就任したベローナ。かつて84〜85年シーズンにリーグ優勝を果たした古豪も、当時はセリエDに低迷。だが、マンドルリーニ氏は連続無敗記録など数々の記録を打ち立てながら、就任わずか3シーズンでチームをセリエA昇格へと導いた。監督交代が頻繁なイタリアにおいて、ひとりの監督が同一チームを7シーズンに渡り指揮するのは稀。同氏の評価の高さの表れと言える。
ただ、現在はフリーの身。そのつかの間の休暇を生かして、視察をかねて訪れたのが以前から興味のあった日本だった。しかも、その裏には日本サッカーにもつながりの深いある人物からの薦めもあったという。「親交のあるザックから興味あるのだったら、ぜひ一回、行ってみれば良いんじゃないかと言われた」。ザックとは、もちろん元日本代表監督のザッケローニ氏。互いの故郷が近いこともあり、以前から親交が深かったという両氏だが、日本を愛して止まないザッケローニ氏からの推薦ということもあり、マンドルリーニ氏も日本の虜になるのは、自然の流れだったかもしれない。
マンドルリーニ氏は約10日間の滞在で、5日の浦和―大宮戦を皮切りに、9日の神戸―鹿島戦、13日のFC東京―神戸などJ1を3試合、名古屋などJ2の2試合の計5試合を視察。まず大きな感銘を受けたのが、Jリーグを取り巻く環境面だった。「スタジアムはどこも素晴らしい。そしてファンも家族連れが多いし、みんな笑顔でサッカー観戦を楽しんでいる。すべてにおいて想像以上だった。日本には、サッカーが発展するベースがすべて整っている」。
もちろん、日本人選手のレベルの高さにも驚いた。「選手はみな技術がしっかりしている」。埼玉ダービーに出場した元浦和MFの関根が、その後にドイツ2部インゴルシュタッドに移籍したことを伝え聞くと「実際に良い選手だった。彼だったら、イタリアでもプレーできると思う」と評価した。その他では、「常に裏を狙っている」と指摘した鹿島のFW金崎、「DFラインからしっかり攻撃の組み立てが出来ている」という同じ鹿島のFW金崎、DF植田、昌子らからも好印象を受けたようだ。
その一方で、マンドルリーニ氏は改善点も口にした。「90分を通して、あまりリズムの変化が感じられなかった」と指摘。ザッケローニ氏も日本代表指揮官時代に何度も口にしたインテンシティー(強度の高い)という言葉を何度も用い「ゴールから20〜30メートル付近で、ゴールに直結するようなインテンシティーの高いプレー、迫力のあるプレー、縦に速いプレーをもっと増やせばもっと良くなる」と強調した。そして「これは練習で改善できるもの。そういうプレーを練習からやっていけば、日本人は技術の高い選手が多いから、必ず試合の中でも出せると思う」と続けた。
ザッケローニ氏同様、戦術家として知られるマンドルリーニ氏。自らが好んで用いるシステムは「もっともバランスが良い」という4―3―3。そのシステムで、過去に指揮したチームでは元イタリア代表FWルカ・トーニら数々の得点王を生み出すなど、攻撃サッカーを標ぼうする監督としても知られる。戦術の話になると、おもむろにペンとメモと取り出し、会話も自然と熱を帯びた。
監督のキャリアをスタートして以来、約20年近くノンストップで指揮官を務めてきたマンドルリーニ氏だが、現在はフリー。かねて海外での指導に興味を持っており、「チャンスがあればぜひ日本で指導してみたい」と近い将来での日本での指揮にも強い意欲を示した。
◆アンドレア・マンドルリーニ 1960年(昭35)7月17日生まれ、エミリア・ロマーニャ州・ラベンナ出身の57歳。現役時代はDFで主に7シーズン所属したインテル・ミラノで活躍。名将トラパットーニ監督のもと88〜89年シーズンにリーグ優勝、90〜91年シーズンにUEFA杯(欧州リーグの前身)を制覇。93年に現役を引退し監督のキャリアをスタート。古豪・ベローナなどで手腕を発揮した。09〜10シーズンに率いたルーマニアのクルジュではリーグ、国内杯、スーパー杯の3冠を達成。
2017年8月15日のニュース
-
札幌 元イングランド代表FWジェイが自転車と接触事故 18歳女性打撲
[ 2017年8月15日 22:53 ] サッカー
-
浦和、シャペコ破り初優勝 阿部がPK決める
[ 2017年8月15日 21:48 ] サッカー
-
“じゃない方”のGK大久保択が“本家”からねぎらわれる
[ 2017年8月15日 18:19 ] サッカー
-
プレミアリーグ夏の移籍市場 最終日が早まる可能性も
[ 2017年8月15日 18:04 ] サッカー
-
広島 C大阪からMF椋原がレンタル加入「多くは語りません…全身全霊をかけて」
[ 2017年8月15日 17:40 ] サッカー
-
J2岡山 観客3人を入場禁止に アウェー岐阜戦でフェンス乗り越え
[ 2017年8月15日 17:29 ] サッカー
-
新潟GK大谷、大宮戦前日に玉突き事故「特段のご配慮」で3日後に発表
[ 2017年8月15日 16:32 ] サッカー
-
広島 元日本代表GK林が腰椎椎間板ヘルニア手術
[ 2017年8月15日 16:01 ] サッカー
-
新潟 ユース出身FW渡辺の加入内定「武器はゴールを奪うこと」
[ 2017年8月15日 15:52 ] サッカー
-
FC東京 田辺草民が手術、全治4ヵ月 新加入のジャキットも離脱
[ 2017年8月15日 15:38 ] サッカー
-
豪州代表にジェディナクら 日本代表、勝てばW杯出場決定
[ 2017年8月15日 13:35 ] サッカー
-
伊の名将マンドルリーニ氏 J視察で日本の虜、成長へ改善点も語る
[ 2017年8月15日 08:00 ] サッカー
-
FC東京MF中島 ポルトガル1部からオファー!条件次第で期限付き移籍へ
[ 2017年8月15日 06:45 ] サッカー
-
永井氏「幸せ」引退試合にヴェルディのレジェンド集結
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
カズ引退試合は新国立!?ラモス氏が鋭い“パス”で笑い誘う
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
セレッソ痛恨…山村 全治5週間で鹿島との“大一番”欠場へ
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
U18安藤 進学から一転、プロ志望に切り替え!今後争奪戦も
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
駒井 事故で犠牲…元同僚にささぐ「堂々とぶつかっていく」
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
生存者の分まで!シャペコ指揮官「非常に重要なタイトル」
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
ジーコ氏 ハリル日本にエール!W杯出場へ「勝ち点3が必要」
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
堂安 オランダ初陣不発も「楽しめた」小林との対決にも奮闘
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
小林 堂安を“上から目線”で高評価「ボールが集まってる」
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
浅野 先発も得点絡めず途中交代「アピールできてない」
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
ネイマール PSG初ゴール!MOMの大活躍で「本当に幸せ」
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー
-
ネイマールの穴大きく…バルサ 決定力欠きホームでレアルに●
[ 2017年8月15日 05:30 ] サッカー