×

籾木 誕生日になでしこ1号!21歳感慨「一生思い出に残る」

[ 2017年4月10日 05:30 ]

国際親善試合   日本3―0コスタリカ ( 2017年4月9日    熊本 )

<日本・コスタリカ>後半37分、ゴールを決めた籾木(左から2人目)は仲間から祝福される
Photo By スポニチ

 サッカーの女子FIFAランキング6位の日本は、同30位のコスタリカに3―0で勝利を収めた。前半23分にFW横山久美(23)が国際Aマッチ10得点目となる先制ゴールを挙げると、2―0の後半37分にはこの日が誕生日の籾木結花(21)が3点目を奪った。昨年就任した高倉麻子監督(48)は、国内での指揮初戦を白星で飾り、就任後の通算成績を3勝1分け4敗とした。

 バースデーゴールがA代表初ゴールとなった。2点リードで迎えた後半37分。FW籾木は同じ日テレ所属の左サイドMF長谷川がボールを持つと、ファーサイドからゴール前に走り込んだ。「唯(長谷川)とはいつもお互いのことを意識できている」。グラウンダーのスルーパスを右足で合わせ「一生思い出に残る初ゴール」と感慨に浸った。

 熊本地震から約1年。試合は復興支援マッチとして行われ、被災地の少年少女400人が招待された。会場は震災後、救援物資の集積拠点になった場所。約1年半を要す予定だった修繕も、この日のために急ピッチで間に合わせた。そんな特別な一戦で、前半はミスや失敗を怖がるプレーが続出した。

 その流れを、後半から投入された籾木ら若い選手が変えていった。籾木は3月1日のアルガルベ杯1次リーグスペイン戦で長谷川とともにA代表初出場を飾ったばかりだが、短期間で急激にチームにフィット。「攻撃はこの試合が一番自分たちの形をつくることができた」と手応えをつかんだ。3歳までを米ニューヨークで過ごした帰国子女で現役慶大生。デビューから39日目で、早くも結果を出した。

 甚大な被害を受けた益城町には、今もブルーシートで覆われた家屋や、瓦がはがれたままの家屋が残る。試合後、高倉監督の会見中には室内が強く揺れる地震も起きた。リオ五輪最終予選時から平均で約4歳若いメンバーを中心につかんだ高倉監督のホーム初勝利は、被災地をつかの間でも明るく照らしただろうか。「自分たちがプレーで勇気を与えられるように、精いっぱいやっていく」。8824人の前で、籾木は使命を語った。

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月10日のニュース