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ハリル監督 欧州組に“ケガ禁止令”寒さ本格化で体調管理を危惧

[ 2015年10月29日 05:30 ]

アディダス新店舗オープニングイベントに登場したサッカー日本代表ハリルホジッチ監督(左)とボクシング・井岡一翔

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が、11月のW杯アジア2次予選に向けて欧州組に「ケガ禁止」を厳命した。28日に大阪で行われたスポーツ用品メーカー「アディダス」のイベントに参加。急激に冷え込む欧州の気候への対応を危惧する指揮官は、対談したボクシングのWBAフライ級チャンピオンの井岡一翔(26=井岡)からコンディショニングの重要性を再確認。“世界王者級”の肉体管理で、まずは万全の陣容でシンガポールとカンボジアとの2連戦に挑む。

【日本代表日程 ロシアW杯アジア2次予選】

 W杯予選でベストの布陣を敷くために、ハリルホジッチ監督が早くも動きだしていた。先週に日本代表のメディカルスタッフと会議を行い、欧州組に厳命したのが「寒さ」への対策だった。「欧州はこれから寒くなってきて、雪も降る。海外組には“ケガの予防をしなさい”“しっかりと疲労回復に専念してくれ”と言った」と明かした。スポーツ選手、それも代表のトッププロに求めたのは、基本とも言うべき体調管理の徹底だった。

 12%以下の体脂肪率を選手に要求するなど就任時から細部にこだわってきた指揮官らしい注文だ。10月の代表遠征に欧州組は11人。そのうち6人が戦うドイツは11月から冷え込みが激しく、気温が氷点下となることも珍しくない。寒さから筋肉が固まりやすく冬にかけてケガも増える。

 10月の代表遠征では負傷でDF酒井宏、MF遠藤、FW永井らを招集できず。特に、DF内田が長期離脱を強いられている右サイドバックは人選に頭を悩ませた。11月のシンガポールとカンボジアとの2連戦は敵地開催。シンガポールとはホームで引き分けるなど油断はできない。負傷離脱者によるチーム力の低下は避けたいところだ。

 イベントでは、世界最速で3階級制覇を果たした井岡一翔と共演。控室で「体脂肪率は何%?」と聞けば「10%」と返ってきたという。自らの合格ラインに軽く到達していることを知ると「練習で何キロぐらい走るのか?」「走るペースはどれぐらいか?」などと質問攻め。「チャンピオンであり続けることは難しい。犠牲も払わなければならないし、能力も必要だ。彼が1試合のために多くのトレーニングを積んでいることがわかった」と頂点を極めた男の意識の高さに感服した。日本代表に求めるのもチャンピオン級の妥協なき肉体。それが世界への扉を開くことになる。

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