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ザック監督 選手と微妙な“温度差”欧州遠征は「結果より内容」

[ 2013年11月13日 06:00 ]

練習場に向かう日本代表のザッケローニ監督(右)そのうしろを歩く選手との距離感を感じてしまう

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)と選手の間に微妙な温度差が生じた。チームは12日、ベルギーのゲンク市内で初練習を行った。今回の遠征で指揮官は内容優先の方針を打ち出しているが、GK川島永嗣(30=スタンダール・リエージュ)やFW岡崎慎司(27=マインツ)らは結果重視の発言。16日のオランダ戦を控え、チームの意思統一を迫られる状況となった。

 気温8度、霧雨が降る中で行われた遠征初の全体練習。日本代表の苦闘が続く中、ストレッチをしながら本田と長友が真剣な表情で言葉をかわすなど緊張感が漂った。そんな中でザッケローニ監督と一部選手の思いに相違が浮かび上がった。守護神の川島はオランダ、ベルギーとの連戦へ「いいサッカーをして終わるのではなく、結果を求めていきたい」と主張。主力の岡崎も「勝ちたいっすね。内容を話し合ったりもするだろうけど、一番は勝って、自分たちのやっていくこと(の正しさ)を証明したい」と勝利優先の姿勢を示した。

 ザッケローニ監督は7日の遠征メンバー発表会見で「この時点では結果より内容が大事。ここ数試合を勝つのは目標ではない」と発言。勝敗は度外視し、縦への素早い展開からパスワークを生かして攻撃的に戦う理想のサッカーを追求する考えを示していたが、6月のコンフェデ杯は3戦全敗だった。10月の東欧遠征ではセルビア、ベラルーシに零敗。本大会で結果を出す道筋は見えなかった。本田は引いた相手を短いパスで攻略するなどスタイルにこだわり「叩かれてぶれることが一番ダメなこと」と内容を重視するが、一部の選手には守備的なカウンターに頼った内容でも強豪からなりふりを構わずに結果を出すことで、もう一度自信を取り戻したいというのが偽らざる本音だ。

 「選手が話し合って意見を持ってくることはポジティブ」と話してきた指揮官だが、一方で「何をするか決めるのは私」とも語る。16日のオランダ戦で無得点で3戦連続零敗となれば、98年以来15年ぶりとなるが、前回W杯準優勝のオランダを相手に選手の意思統一を図れなければ、単なる零敗どころか惨敗もあり得る。今こそザッケローニ監督の手腕が問われる。

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2013年11月13日のニュース