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PK戦5人目志願が裏目…Cロナ、蹴らずに終戦

[ 2012年6月29日 06:00 ]

<ポルトガル・スペイン>PK戦で敗退が決まり目頭を押さえるC・ロナウド(右端)

欧州選手権準決勝 ポルトガル0―0(PK2-4)スペイン

(6月27日)
 初優勝を狙ったポルトガルは延長0―0の末にPK戦2―4でスペインに敗れた。PK戦で5人目のキッカーを志願したFWクリスティアーノ・ロナウド(27=Rマドリード)は蹴る機会さえなく敗退。スペインは5人目のMFセスク・ファブレガス(25=バルセロナ)が決めて2大会連続4度目の決勝進出を決め、初の連覇に王手をかけた。

 C・ロナウドが天を仰いだ。「なんて不公平なんだ…」。両手を胸の前で合わせ、ぼう然と立ち尽くした。「敗戦を認めるのは困難。いいプレーをしながらPK戦で敗れるのは常に不公平で不運なんだ」。PK戦の1人目は双方が失敗し後攻ポルトガルは4人目ブルーノ・アルベスがミス。スペイン5人目のセスク・ファブレガスが成功。5人目だった背番号7の目前で敗戦が決まった。

 会見ではエースを確実に蹴る順番で起用しなかったことに質問が集中。ベント監督は「4―4なら彼が最後のキッカーになって、こんな議論にならなかっただろう」と説明したが、実は不安があったことも事実だ。

 Rマドリードで出場した欧州CL準決勝バイエルンM戦のPK戦では1人目で蹴って失敗。敗退を招いた。25回連続PK成功だった男がここから3回連続失敗。開幕前には「自信を失ってはいない」と話したが、延長戦終了後に指揮官から「蹴るか?」と問われると「5人目で」と応じた。重圧がかかる役回りを選んだのかもしれないが、結果は裏目に出た。

 ポルトガルは蹴る順番を間違える失態もあった。ブルーノ・アルベスは3人目で登場しながらナニに止められUターン。動揺したのか仕切り直しでバーを叩いた。「混乱があった。それからアルベスが蹴り、決定打になった」とベント監督。延長戦突入までは果敢なプレスと速攻で優位に立ちスペインを追い詰めたが、寸前で金星を逃した。

 「決勝に行けたと分かっているだけに不満もある」とC・ロナウド。前半31分の左足のシュートはゴール右に外れ、後半終了間際の速攻でも左足で狙ったが、バーを越えた。決めていればPK戦はなかった。1次リーグ敗退が予想された「死の組」B組を突破しての4強は価値があるが、悔いが残る結果になった。

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2012年6月29日のニュース