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なでしこ 沢いないとダメ?佐々木監督「危機感持て!」

[ 2012年2月12日 06:00 ]

<なでしこ代表候補合同合宿>スタンドで紅白戦を見る佐々木監督(右)

 日本女子代表候補和歌山合宿3日目の11日、4カテゴリーを6チームに分け、各20分間の紅白戦を行った。なでしこジャパンは、なでしこチャレンジ+U―20、なでしこチャレンジ、U―20と計3試合を戦って1勝2分け。60分間で奪った得点はミスに乗じた1点のみ。右ふくらはぎのケガで参加を辞退したMF沢穂希(33=INAC神戸)や海外組が不在とはいえ、佐々木則夫監督(53)は選手たちに容赦なくカツを入れた。

【メンバー 試合日程&結果】

 普段は温厚な指揮官が珍しく怒りをあらわにした。力の差を見せつけるはずの紅白戦で課題を露呈。ベストメンバーではないという点を差し引いても、決して容認はできない内容。佐々木監督の口から辛らつな言葉が飛び出した。

 「有頂天になっていたら“あんたらナンボのもんよ”の世界。下の世代が上に近づいている。それを感じ取って、危機感を持ってやらなければ」

 紅白戦の1本目は、なでしこチャレンジにU―20の3人を加えた混成チームに0―0。2本目はなでしこチャレンジに再びスコアレスドロー。どちらも好機はあったが決められなかった。そして最後の3本目。INAC神戸の“新人トリオ”FW京川舞(18)、MF仲田歩夢(18)、MF田中陽子(18)や“ポスト沢”と称されるMF猶本光(17=浦和)らを擁するU―20に大苦戦。前半10分、FW高瀬愛実(21=INAC神戸)が先制ゴールを決めたが、これは相手のパスミスによるもの。逆に何度も左サイドから攻め込まれ、約2000人の観客からはどよめきも。U―20のDF浜田遥(19=高槻)のシュート2本はいずれもポストに助けられ、指揮官も「1―2で負け。U―20にしか光るものを見いだせなかった」と自嘲気味に笑うしかなかった。

 昨季のなでしこリーグ得点王のFW大野忍(28=INAC神戸)は「もっと力の差を見せつけたかった。決定機で決めないと意味がない」と反省の弁。さらに「沢さんがいないのは大きい。頼りっぱなしではいけないし、沢さんがいない状況のシミュレーションにはなった」と続けた。

 午前中のパス練習でも「1から10まで言われないと分からないのか!」とカミナリを落としていた佐々木監督にしてみれば、今回の結果は織り込み済み。「危機感を持つという意味では大成功」。29日開幕のアルガルベ杯(ポルトガル)に向け、残り2日間で課題をあぶり出す作業を急ピッチで進めていく。

 【試合結果】
なでしこジャパン 0―0 なでしこチャレンジ+U―20
なでしこジャパン 0―0 なでしこチャレンジ
なでしこジャパン 1―0 U―20
 ▽得点者【な】高瀬

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2012年2月12日のニュース