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森本初ゴール!公式戦初先発でうっぷん晴らし

[ 2010年10月29日 06:00 ]

ゴールを決め、パンツを引き上げた変な踊りを披露する森本

 カターニアの日本代表FW森本貴幸(22)が今季公式戦初先発で初ゴールを挙げた。27日にホームで行われたイタリア杯3回戦の2部バレーゼ戦に3トップの中央でプレーして120分間フル出場。2-1の後半12分に右足で追加点を決めて、延長4-3の勝利に貢献した。出場機会に恵まれない中で先発奪取、そしてパルマなど獲得を狙う他クラブへのアピールにもなった。

 たまっていたうっぷんを晴らす一発だった。今季公式戦9試合目で、森本にやっと与えられた初先発のチャンス。2-1で迎えた後半12分、右CKからMFデルベッキオの落としたボールをファーポストでヘディングシュート。これは入らなかったが、ボールがゴールライン上を転がったところを、自ら詰めて右足で蹴り込んだ。両手を広げて歓喜のダッシュ。パンツを引き上げて、おどけたダンスで今季初ゴールの喜びを表現した。

 “病み上がり”とは思えないプレーぶりだった。24日のジェノア戦はベンチ外。クラブの説明は「発熱のため」だったが豊富な運動量で不安を一掃した。守備では相手DFにプレスをかけてパスミスを誘発。攻撃ではフリーランニングで味方にスペースをつくり前半の2得点をおぜん立てした。延長戦は運動量が落ちたが120分間フル出場して復活を印象づけた。

 ジャンパオロ監督に対する意地もあった。今季チームでの出場は開幕戦途中出場の5分間だけ。以降、リーグ戦7試合連続で出場機会がなかった。9月に日本代表のグアテマラ戦で2ゴールを挙げてチームに合流した直後にベンチ外となる屈辱も味わい、指揮官に対して「開幕前に“残れ”と言われたのに、言っていることが違う。なんで出さなかったのかという気にもなる」と不満を口にしていた。このまま出場機会がない状況が続けば、来年1月の移籍市場で移籍話が再燃することは必至。この日のゴールは、獲得に興味を示すパルマなど他クラブへのアピールにもなった。

 試合後、チームは一切の取材に応じなかった。原因は森本のライバルであるFWマキシ・ロペスのチーム批判。そのエースストライカーが累積警告で出場停止となる31日のフィオレンティーナ戦は、森本にとって再び大きなチャンスとなりそうだ。

 ▼日本協会原技術委員長 良かった。カップ戦でアピールしなければ…という気持ちが強かったのではないか。リーグ戦とはメンバーが違うけど、そういうときに結果を出したのは大きい。今は厳しい状況だが、変わってくると思う。

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2010年10月29日のニュース