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3分で決めた!石川、御前で5戦連発

[ 2009年7月13日 06:00 ]

<FC東京・名古屋>前半3分、得点王に並ぶ今季10点目を決めるFC東京の石川直宏(左)

 絶好調男が“御前弾”を決めた。J1第17節の12日、FC東京はホームで名古屋に3―0と快勝した。MF石川直宏(28)が前半3分、3人抜きの先制ゴールを決めるなど2点に絡む活躍で、視察した日本代表の岡田武史監督(52)に存在を強烈にアピールした。5戦連続ゴールの石川は、得点王争いでも首位タイに浮上。チームもJ1では初の公式戦6連勝を飾った。

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 ボールを持つだけで場内がどよめいた。絶好調のMF石川は、開始たったの3分で、その期待に応えてみせた。「ドリブルしてるときからDFをかわしてシュートを打つイメージはあった」。前半3分、中盤でボールを持つと、3人のDFをあざ笑うかのようにかわし、右足一閃(せん)。直後、5戦連続ゴールが日本代表GK楢崎の横をすり抜けた。

 この勢いは本物だ。公式戦は最近8戦で7発と驚異の決定力。リーグ戦中盤で日本人が得点王争い首位に並ぶのは02年の高原(磐田)以来だ。その神髄は緩急自在な動き。今季はサイドだけでなく、中(ゴール前)に切れ込む動きが急増した。石川は「中はスペースがない分、スピードを落とすと言うか、コントロールができる。シュートのイメージが膨らむんです」と自己分析した。

 日本代表への招集も現実味を帯びてきた。視察した岡田監督は「調子がいいね。(選考は)トータルで考えたい」と含みを持たせた。

 石川のアピールは得点だけに終わらない。前半34分のFWカボレの得点は、従来から得意とする右サイド突破が起点となった。岡田監督の御前で2点に絡んだ石川は「以前の僕と最近の僕のいい部分が出せた」と笑った。

 今月6日、選手会イベントとして府中市内の小学5年生を対象にしたサッカー教室に参加。小学5年時にJリーグ開幕戦(横浜―V川崎戦)を国立で観戦した経験を聞かせた。「僕はカズさんにあこがれましたね」。今度は自身が、当時のカズの立場に立つ。チームも初の公式戦6連勝を達成。「ここからは(ゴール数も)未知の世界。でもまだ終わる気はない」。28歳にして覚せいした得点王は胸を張った。

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2009年7月13日のニュース