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アーセナル“疑惑弾”でV争い残った

[ 2008年12月2日 06:00 ]

 イングランド・プレミアリーグ第15節の4試合が30日に行われ、アーセナルが疑惑のゴールで優勝戦線に生き残った。アウェーで首位のチェルシーに先制を許したものの、後半14分にオフサイドポジションにいるように見えたFWロビン・ファンペルシー(25)が同点弾。ここから流れを変えて2―1と逆転し、3試合ぶりの勝利でチェルシーとの勝ち点差を7に縮めた。

 ペナルティーエリアの外側でファンペルシーがボールを受けると、チェルシーの選手が一斉に手を上げて叫んだ。「オフサイド!」。デニウソンからパスが出た際は明らかに最終ラインよりゴール寄りにいたオランダ代表だが、笛は鳴らない。そのままゴール前に切れ込んで同点弾を決めた。

 「正直言って見ていないんだよ。ビデオで確認してみるけど、オフサイドによるゴールは時にはプラスにもなるし、マイナスにもなる」とベンゲル監督。知将は微妙な言い回しで切り抜けたが、ファンペルシーは率直だった。「何年か前にチェルシー戦のゴールがオンサイドだったのにオフサイドにされた。きょうで帳消しにできたね」

 喜ぶのも無理はない。連敗の後に臨んだロンドン・ダービー。序盤から押されて前半30分にジュルーのオウンゴールで先制されたが、追いついたことで流れは変わった。3分後には再びファンペルシーが勝ち越し弾。負ければ勝ち点13差で絶望的状況だったが、7差に縮めた。終盤は細かくつなぐサッカーも復活。ファンペルシーが「われわれに必要な大きな自信を得られる勝利」と振り返ったように貴重な勝ち点とともに自信も取り戻した。

 MFフラミニ(ACミラン)やMFフレプ(バルセロナ)の移籍で若返った布陣は安定感を欠いてすでにリーグ戦5敗を喫し、内部批判を行ったギャラスからセスク・ファブレガスに主将が交代するなど騒動もあった。しかし、4強対決ではマンチェスターUも下して2戦2勝。06~07年も4強対決で勝ち点を稼ぎながら4位に終わったが、指揮官は「われわれのような(追う)立場のチームは直接対決が重要になる」と話した。アーセナルが崖っ縁で踏みとどまる大きな1勝を挙げた。

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2008年12月2日のニュース