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リッピ監督30戦不敗の陰に気配りアリ

[ 2008年10月17日 06:00 ]

<イタリア・モンテネグロ>指示を出すイタリアのリッピ監督

 2010年W杯南アフリカ大会欧州予選が15日に各地で行われ、8組のイタリアはホームでモンテネグロを2―1で下して同組首位を守った。マルチェロ・リッピ監督(60)は06年ドイツ大会を制した前回在任時を含めて30戦連続不敗を達成し、連覇を狙う10年大会出場権獲得へ弾みをつけた。5組のスペインと6組のイングランドはそれぞれ無傷の4連勝を飾った。

【W杯欧州予選8組


 積み上げてきた不敗記録が30試合に達した。イタリア代表では34、38年W杯を連覇した伝説の名監督ポッツォ氏に並ぶ最多記録。06年W杯優勝後に1度は退任し、2年間の中断期間をはさんでいるとはいえ、リッピ監督が大きな足跡を残した。

 「謙そんしているふりはしたくない。素晴らしい数字と思う」と素直に喜んだ名将。前回在任時の04年10月13日のベラルーシ戦から始まった記録の節目は、次世代を担う選手を起用しながら白星で飾った。今回の招集で代表デビューした右サイドのペペが前半8分に速攻からゴール前にボールを入れ、こぼれ球をMFアキラーニが先制弾。代表定着を狙う24歳は1―1の同29分にも豪快な右足ボレーで決勝点を決めた。

 3勝1分けで首位。結果を出しながら、世代交代という課題にも気配りを交えて対応した。ドナドニ前監督は代表引退問題でMFトッティと衝突し、結果的に引退に追い込んだ。代表を外したデルピエロとも意思の疎通を欠き、ベテランFWを嘆かせたこともあった。しかし、リッピ監督は新顔4人の代わりに今回招集を外れたデルピエロに「若手を試したい」と説明。信頼関係の維持に努めた。指揮官を慕うトッティが代表復帰に前向きな反応を示すなど人心掌握には定評がある。

 「記録もいいが、この30試合の中でW杯を制したチームを再建するという現在の試みはもっと素晴らしい。経験が浅い選手を使った2試合で勝ち点4を得たことが重要」

 見据えるのは不敗記録で並んだポッツォ監督がただ1人達成しているW杯連覇。10年大会開幕時には62歳になる老将はまだまだ挑戦をやめない。

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2008年10月17日のニュース