×

敏京 猛チャージ65!メダルあと1歩の4位も歴史つくった

[ 2016年8月21日 05:30 ]

<リオ五輪 女子ゴルフ> 9アンダーでホールアウトした野村はギャラリーの声援にこたえる

リオデジャネイロ五輪 女子ゴルフ最終日

(8月20日 オリンピック・ゴルフコース=6245ヤード、パー71)
 15位から出た野村敏京(23=フリー)が6バーディー、ボギーなしの65をマークして通算9アンダーでホールアウト。メダルには1打届かず4位だった。首位から出た朴仁妃(パクインビ、28=韓国)が66で回り、通算16アンダーで金メダルを獲得した。41位で出た大山志保(39=大和ハウス工業)は74で回り通算8オーバーで42位だった。

 野村が日本のゴルフ界に新たな歴史をつくった。最終組のコが通算11アンダーでホールアウトした瞬間、メダルの望みは消えた。コース脇で見守っていた野村は悔しげな表情を浮かべた。それでも112年ぶりに復活した五輪のゴルフで4位入賞は紛れもない快挙だ。

 逆転でのメダル獲得を狙った最終日。野村は猛チャージを掛けた。パー5の1番はティーショットを左バンカーに入れたが、20メートル以上のパットも距離感をしっかり合わせてパーを拾った。パーオンに失敗した2番も3打目をピンそばにつけてピンチを切り抜けると、3番で3メートルを沈めてバーディーを先行させた。

 その後は正確なアイアンショットで次々とチャンスをつくった。8番、11番はいずれも2・5メートルを入れた。世界ランキング22位の野村は今季米ツアーで初優勝を含む2勝を挙げている。その要因の一つとなっているのが好調なパット。この日も絶妙のタッチを披露した。

 15番ではフェアウエーからの第2打を1メートルにぴたりと付けてバーディー。距離の短いパー4の16番は3Wでグリーン手前まで運びアプローチで1メートルに寄せて、パー5の18番は左サイドからの第3打を1メートルに付けてスコアを6つ伸ばして通算9アンダーでフィニッシュ。その時点でメダル圏内の3位まで順位を上げた。

 前日の第3日は前半で1つ伸ばしたが、後半の14、15番で連続ボギーを叩いて失速した。メダル圏内まで6打差まで開いた。それでも「9アンダー出さないとメダルは難しいと思うけど最後まで頑張る」と前を向いていた。そして言葉通りの会心のゴルフを見せた。

 日本人の父と韓国人の母の間に生まれ、10年に日本国籍を取得。表彰台には届かなかったが、日本のエースとして確かな足跡を残した。

 ▼ 五輪におけるゴルフ競技 1900年パリ大会で初めてゴルフ競技が行われ、男女ともストロークプレーの個人戦で争われた。1904年のセントルイス大会では男子の個人戦と団体戦を実施

 ▼野村敏京コメント 1打差でメダルに届かずもったいないが、頑張った。東京五輪も必ず出たい。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月21日のニュース