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【服部道子の目】敏京の能力再確認、この経験糧にさらに強くなれる

[ 2016年8月21日 18:07 ]

<リオ五輪 女子ゴルフ> 9アンダーでホールアウトした野村はギャラリーの声援にこたえる

リオデジャネイロ五輪 女子ゴルフ最終日

(8月20日 オリンピック・ゴルフコース=6245ヤード、パー71)
 野村さんの能力の高さを再確認したラウンドでした。表彰台には届きませんでしたが、五輪の最終日にメダル争いの中、6アンダーで回るのは凄いことだと思います。

 出だしの1番、2番でティーショットをミスしながらも、しっかりパーを拾ったことが弾みになりました。その後は大きなミスもなくスコアを伸ばすことができました。

 野村さんは体幹が強くスイングの軸がぶれません。体の大きな筋肉を使うためミスショットをしても誤差が小さく、インパクトゾーンが長いので方向性が良く、風の影響を受けにくい重い球になります。ショットの調子は良かったのに第3日までは判断の迷いなどでミスが出ましたが、最終日は修正できていました。終盤は狙ったところに迷いなく打ってバーディーチャンスに付けていました。

 パットはラインを浅めに読んで、強めに打っていました。もともとロングパットがうまい選手でしたが、2メートル以内の短い距離を確実に入れていました。このくらいのパットが入ると、アプローチやグリーンを狙うショットを余裕を持って打つことができます。バーディーを量産できたのは、パットに対する自信が裏付けになっていたからだと思います。

 リラックスと集中のメリハリの付け方もうまいので大きな試合でも自然体でプレーできます。メジャー制覇も時間の問題だと思います。足りないものをあえて挙げるとすれば経験だけです。五輪では避けることのできたミスもありました。そういう経験を糧にしてさらに強いゴルファーになると確信しています。

 大山さんは不本意な結果に終わりましたが、首の負傷を克服して五輪の出場権を獲得し、日本の代表として誇りを持って戦い抜いた姿勢には敬意を表したいと思います。

 金メダルを獲得した朴仁妃選手は負傷で長期離脱していたとは思えないプレーぶりでした。どんな状況でもスイングもパットのストロークもテンポも、そして表情も変わらないのが彼女の強みです。ミスが出ても引きずらず、すぐにリズムを取り戻したのは、さすが元世界ランキング1位だと感じました。(プロゴルファー)

 ◆服部 道子(はっとり・みちこ)1968年(昭43)9月8日、愛知県日進市生まれの47歳。11歳でゴルフを始める。米テキサス大オースチン校卒。日本女子アマチュア選手権優勝3回。85年全米女子アマチュア選手権優勝。91年プロ転向。国内ツアー通算18勝(メジャー3勝)。98年賞金女王。1メートル68。59キロ。

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