【中山新馬戦】ピックデムッシュ 藤沢流で2歳世代頂上目指す!柴田善絶賛「将来性高い」

[ 2024年9月18日 05:30 ]

Road to 2025

ピックデムッシュ
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 藤沢流で目指すは2歳世代の頂上だ。話題の新馬ピックデムッシュ(牡=鹿戸、父レイデオロ)が中山日曜5R(芝1800メートル)でデビューする。“競馬のレジェンド”藤沢和雄元調教師から血統とともに調教法も受け継いだ愛弟子、鹿戸雄一師(62)が送り出す逸材。その将来性を探った。

 競走馬の調教とは時計を出すことではなく、もっと走りたい気持ちにさせることだという。90年代の美浦トレセンに調教革命を起こした“フジサワ・イズム”の奥義である。「私も藤沢先生からそう教わってきました。前向きさを失わず、気分良く走れるような調教を心がけていますが、それにしても、この馬は…」。藤沢流調教を継承する愛弟子・鹿戸師が馬場の外ラチ沿いから1頭の新馬を見つめている。

 頼もしげな視線の先には、フランスの名匠セザンヌが油彩、水彩で描いた南仏サンヴィクトワール山の頂上「ピックデムッシュ」から命名された2歳牡馬。美しい青鹿毛の馬体を450キロの体重以上に大きく見せながらウッドチップの上を喜々として弾む。「ゲート試験に合格した今春は前向きさがなかったのに、再放牧を経て調教を重ねるうちにどんどん前向きさが出てきて…」と言葉を継ぐ鹿戸師の傍らでは、この青鹿毛馬の調教騎乗を終えた柴田善が表情を緩めた。「凄く走るね。背中がいい、フットワークがいい、体の使い方がいい。敏感な面があるからせかさないように気を付けないといけないが、将来性は高い」と絶賛した。

 藤沢師に最初で最後のダービータイトルをもたらしたレイデオロの2世代目の産駒。弟子には特別な意味を持つ血統だ。「優れた血統を次の世代につなげていくのも調教師の仕事だと藤沢先生から聞かされました。そのためにも大事に使って、いい競馬をして、いい状態で牧場へ帰せるように心がけています」と語った鹿戸師は続けた。「藤沢先生が育てた血統は走るんです。健康な状態で繁殖生活に入るから成功するのでしょう」。大切に育てた馬が素晴らしい産駒を送り出し、厩舎に勝利を運んでくれる。血統の恩返しもフジサワ・イズムの奥義である。

 ピックデムッシュの母サンティールは鹿戸厩舎に所属して、芝中距離で4勝。レイデオロと同じく19年に5歳の秋で健康な状態で繁殖入りしている。血統の恩返しと、走りたい気持ちにさせる調教。藤沢流で目指すはサンヴィクトワール山の頂上「ピックデムッシュ」だ。

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