【天皇賞・春】テーオーロイヤル95点 成長した後肢と毛ヅヤの進化

[ 2024年4月23日 05:28 ]

鈴木康弘氏「達眼」馬体診断

テーオーロイヤル
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 盾を引き寄せるのは進化したステイヤーだ。鈴木康弘元調教師(80)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第169回天皇賞・春(28日、京都)では重賞2連勝中のテーオーロイヤルをトップ採点した。達眼が捉えたのは一昨年春の天皇賞(3着)時から一段と成長した後肢と毛ヅヤの輝き。晩成の長距離ランナーが6歳で初のG1タイトルをつかむ勢いだ。

 10人の馬目利きにテーオーロイヤルの馬体を見せれば、10人とも長距離馬と即答するでしょう。徹頭徹尾の成句通り、頭の先から尾の付け根までステイヤー。頭から首、キ甲、背中、腰、尻…どの部位のつながりにもゆとりがある。腹下ばかりか前腕と膝の下も長い。目方を背負うキ甲には長さも幅もある。全身に備わっている筋肉には強さの代わりに柔らかさがある。疲れのたまりづらい中長距離仕様の筋肉です。

 10人の馬目利きにテーオーロイヤルの一昨年と今年の写真を見せれば、10人とも大器晩成型と即答するでしょう。一昨年、4歳で挑んだ天皇賞・春(3着)時はキ甲と前肢の長さばかりが目につきましたが、今回は前肢が目立っていない。なぜか。後肢の張りが増したことで前後肢のバランスが良くなったからです。年を重ねてトモがパワーアップしてきた。右後肢の骨折で4歳の冬から5歳の秋まで1年近い休養を挟んでダイヤモンドS、阪神大賞典を連勝。単に復活しただけではなく、成長を遂げていることが後肢の変化から分かります。

 一昨年の春との違いがもうひとつ。毛ヅヤがますますさえています。一昨年の毛ヅヤも良好でしたが、今回は深い光沢を放っている。新陳代謝が活性化する内面からにじみ出たような輝きです。腹周りも程よく引き締まっている。阪神大賞典の反動は皆無です。

 唯一気になるのが左飛節。締まりがないように映ります。ただ、過去の写真を見ても飛節は締まっていない。この状態でレースをしてきたのなら問題ないでしょう。

 心身一如。気性も体形通りのステイヤーです。落ち着き払った立ち姿。ハミをゆったりと受けながら左前方に穏やかな視線を向けています。どこを見ても力みひとつない。この気性なら発走後に位置を取りに行っても掛からず折り合えるでしょう。頭をゆったりと起こしながら尾を自然に流している。文字通り徹頭徹尾の長距離ランナーです。 (NHK解説者)

 ◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の80歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~2004年日本調教師会会長。JRA通算795勝。重賞27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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