【セントライト記念】ガイアフォース 重賞初挑戦V、菊でキタサンブラックと父子制覇へ

[ 2022年9月20日 05:20 ]

<中山11R・セントライト記念>アスクビクターモア(奥)との叩き合いを制した松山騎乗のガイアフォース(撮影・西川祐介)
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 父の背を追う新星のきらめき。菊花賞トライアル「第76回セントライト記念」が19日、中山競馬場で行われ、松山弘平(32)騎乗の3番人気ガイアフォースが重賞初挑戦で初勝利。15年セントライト記念→菊花賞を連勝した父キタサンブラックの背中を追う。2着アスクビクターモア、3着ローシャムパークまでが菊花賞(10月23日、阪神)の優先出走権を獲得した。

 激しい叩き合いを終えた直後だというのに、実に落ち着いた様子のガイアフォース。流麗なシルエットに品のあるたたずまい。芦毛の毛色こそ違えど、重なるのは7年前の当レースを制した父キタサンブラックの姿だ。杉山晴師は「こちらは上がり馬として胸を借りる立場だった。勝ち切ってくれたので現状では100点をあげたい」と表情を崩した。

 レースは春クラシックで名を上げたアスクビクターモアを徹底マーク。目標が持ったままで好位外を駆け上がったのは3コーナーだ。松山が手綱を動かし、必死に食らい付いた。直線半ばまでの手応えは明らかに劣勢。内から突き放しにかかるアスク。万事、休すか。しかし、勝利にこだわった人馬が最後の抵抗で盛り返す。ゴール地点では頭差だけ前に出ていた。松山は「相手を倒しに自分から動いていきました。最後は本当に頑張ってくれて、よくしのいでくれました」と大粒の汗を拭った。

 骨折による休養で春クラシックはパス。じっくりと力を蓄え、レコード決着の前走・国東特別、やや重のセントライト記念と異なる条件で2連勝を果たした。松山は「本当に強い馬。少しケガはあったけど、陣営がここまで復帰させてくれた。(今日も)素晴らしい状態で戻ってきた」と称賛。振り返れば、メイクデビュー小倉(2着)で敗れたのは、ダービーを制したドウデュース。同期の星にも近づく勝利だった。

 次戦はラスト1冠の菊花賞へ。助手時代に09年菊花賞馬スリーロールスの調教役を務めた師は「(距離延長は)何とか力でこなしてくれるんじゃないか。期待半分、不安半分というところ」と正直な気持ちを明かす。父キタサンブラック(母の父サクラバクシンオー)も距離不安がささやかれた菊の大舞台をV。その後は歴代屈指の名ステイヤーの地位を確立した。常識では測れない魅惑の血脈から菊の主役候補が誕生した。

 ◆ガイアフォース 父キタサンブラック 母ナターレ(母の父クロフネ)19年2月21日生まれ 牡3歳 栗東・杉山晴厩舎所属 馬主・KRジャパン 生産者・北海道安平町の追分ファーム 戦績5戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金7802万2000円 馬名の由来はガイア(ギリシャ神話の地母神)の力。

 【セントライト記念アラカルト】

 ☆松山 このレース3回目の騎乗で初勝利。JRA重賞は小倉2歳S(ロンドンプラン)に続き、今年7勝目で通算33勝目。

 ☆杉山晴師 このレース2頭目の出走で初勝利。JRA重賞は中京記念(ベレヌス)に続き、今年3勝目で通算11勝目。

 ☆血統 キタサンブラック産駒は初出走で初勝利。JRA重賞は21年東京スポーツ杯2歳S(イクイノックス)以来で通算2勝目。父が15年覇者で5組目の父子制覇となった。

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