障害馬術トップから異例転身 小牧太Jr・加矢太がJRA障害騎手免許合格、来月デビュー

[ 2022年2月9日 05:30 ]

小牧加矢太騎手
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 同じ馬を扱う競技でありながら、異例の転身だ。20年全日本障害飛越選手権を優勝するなど馬術競技の一流選手だった小牧加矢太(25)が8日、JRAの障害騎手免許に合格。父はJRA現役騎手の小牧太(54)で3月にデビューすれば岩田、西谷、横山に続く4組目の現役父子騎手が誕生する。

 午前10時、家族全員がそろった小牧家に待ち望んだ一報が届く。異例の馬術選手から障害騎手への道に挑んだ加矢太の合格通知。一度は諦めかけたJRA騎手の道を切り開いた。加矢太は「昔から騎手は憧れの職業でしたが、馬術競技で活動をする中、父から受験のチャンスがあることを知らされました。障害レースでは馬術競技で培った経験や障害飛越の技術を生かせると思い、改めて騎手を目指すことを決意しました」と語った。

 JRA騎手の大半はこの日9人が卒業した競馬学校の卒業者。海外で実績を残したルメール、M・デムーロや地方で活躍した内田、戸崎らのJRA免許取得はあっても、馬術からJRA障害騎手への転身は前例がない。身長の高い加矢太は体重制限が難しくなったことで馬術競技の道へ進み、20年秋の全日本障害飛越選手権などを優勝。馬術で技術を磨き、昨秋体重の制限(55キロ以下、平地は49キロ以下)が緩い障害免許試験に合格した。「前例のない形で騎手になれたので誰かを目標にするといったことはなく、自分の持ち味を最大限に生かしたいです」と意気込んだ。

 平地で活躍する父・太とステージは異なるが、父は「馬術の選手として培ってきた技術を生かして頑張ってほしい。スマートに格好良く乗って障害のプリンスのような存在になってくれたら」と期待を寄せる。障害専門でデビューするのは86年の大森勇一以来。本人は「初年度から結果を残し、重賞の騎乗依頼をいただけるように精進していきたいです」と大きな目標を言葉にした。美しさから速さを競う世界へ。まずは最初のハードルを飛び越えた。

 ◇小牧 加矢太(こまき・かやた)1996年(平8)12月24日生まれ、兵庫県出身の25歳。栗東・フリー。13年ジュニアライダー障害飛越選手権、16年ヤングライダー障害飛越選手権、20年全日本障害飛越選手権など多数の大会で優勝している。

 《父・太もホッ》加矢太の合格を受けて父・太も安どの笑み。「受かると思っていたけど結果が出るまで心配だった。今朝、加矢太も含めて家族みんな一緒にいた時にJRAから合格通知が届いて、ひと安心。ホッとした」と胸をなで下ろした。父は平地、息子は障害とステージは違うが来月から同じJRAのジョッキー。「ケガをしないことが第一。障害を盛り上げられるようなジョッキーになってほしい」とエールを送った。

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2022年2月9日のニュース