【中山大障害】絶対王者オジュウチョウサン 独り旅で1年8カ月ぶり復活V!長山オーナー現役続行明言

[ 2021年12月26日 05:30 ]

中山大障害で復活勝利を飾ったオジュウチョウサン(撮影・西川祐介)
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 これぞ絶対王者の姿。J・G1「第144回中山大障害」が25日、中山競馬場で行われ、石神深一(39)騎乗の2番人気オジュウチョウサンが1年8カ月ぶりの復活V。11歳を迎える来年の現役続行が決まった。

 一団の馬群が障害を飛越するたびに拍手が鳴り響いた今年の中山大障害。拍手が大歓声に変わったのは最終周回向正面の第4障害だ。高さ1メートル30の竹柵を飛び越えたオジュウチョウサンが早々と先頭に立つ。復活を予感させる先頭交代劇に場内が沸いた。勝負の最終コーナー、伏兵ブラゾンダムールが得意の捲りで外から並びかけたが問題にしない。突き放す。独り旅の直線は一身に喝采を浴びた。3連敗を喫し、斜陽がささやかれた姿はない。これが絶対王者オジュウだ。

 早め先頭の積極策を決断した石神が振り返る。「逃げ馬の後ろでじっとして外からかぶされるのが嫌だったし、ペースは速くないと感じたので(向正面で)仕掛けた。この馬と久しぶりに勝ててうれしい」。共につかんだG1タイトルは8個目。「今は感謝の言葉しか思い浮かばない。最近はファンの皆さまにふがいない姿ばかり見せていたので、今日はオジュウの格好いい姿を見てもらいたかった」。当レース4年ぶり3度目の勝利となった相棒をいとおしそうにねぎらった。

 見守った和田正師は「飛越、折り合い、コース取り全てが完璧だった。10歳でこの舞台に立てること自体が驚異的なのに、まだ圧勝できる力があるなんて。改めて凄い馬だと感じた」と人馬を称える。「今までもこれからも走る気力がなくなったと判断すればレースには使わない。3回続けて負けていたので不安もあったが、走りの内容が良かったのでここを使った」。復活劇に安堵(あんど)の表情だった。

 オジュウの走りに心を動かされたのはファンだけではない。長山尚義オーナーは「引退の話もあったけど、これだけの結果が出たので。来年も3月の阪神(スプリングジャンプ)から4月の中山(グランドジャンプ)へ、という気持ち」と現役続行を明言。「今日は安心して見られた。(ゴール後の)ファンの皆さまの声援もうれしかった」。復活を遂げた絶対王者の勇姿が、来年もまだ見られる。

 ◆オジュウチョウサン 父ステイゴールド 母シャドウシルエット(母の父シンボリクリスエス)11年4月3日生まれ 牡10歳 美浦・和田正厩舎所属 馬主・チョウサン 生産者・北海道平取町坂東牧場 戦績36戦19勝(うち障害28戦17勝)障害重賞は14勝目(うちG1・8勝)総獲得賞金8億6500万7000円。馬名の由来は家族名より+冠名。

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2021年12月26日のニュース