グランアレグリア 歓声の代わりにねぎらいの拍手に包まれて次のステージへ!藤沢和師「ご苦労さん」

[ 2021年12月19日 05:30 ]

大勢のファンの前に現れたグランアレグリア(撮影・西川祐介)
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 ラストランのマイルCSでG1・6勝目を挙げたグランアレグリア(牝5=藤沢和)の引退式が18日、中山競馬場で行われた。スプリンターズSを制した思い出の舞台でファンに別れを告げた希代の快速牝馬は、来春から北海道安平町のノーザンファームで繁殖入りする。初年度はエピファネイアと交配する予定。

 木枯らしが吹きすさぶ夕暮れの芝コース。最終レース終了後もスタンドに残って別れを惜しむ2400人の観衆の前で、グランアレグリアは覇気に満ちた脚取りを披露した。コロナ時代の引退式。歓声の代わりに湧き起こったねぎらいの拍手に包まれた。「私にとっても最後となる年に、最後まで頑張ってくれた。できればスピードで2000メートル(天皇賞・秋=3着)を乗り切らせたかったが、前向きな性格のまま競走生活を全うしてくれた。ご苦労さんと言いたい」。2カ月後に70歳定年引退を迎える藤沢和師は、愛馬の首を優しく撫でた。その引き手を握る大江原助手は「元気が良すぎて思い出に浸る暇もありません」と苦笑いを浮かべる。

 「馬を傷めず余力のあるうちに牧場へ返すのが調教師の本分。子づくりという大仕事が待っているから」。藤沢イズムが注入された名伯楽最後の傑作は、万雷の拍手でその血を伝えるセカンドステージに送り出された。

 ▼吉田俊介サンデーレーシング代表 藤沢先生と最後にこんな素晴らしい馬に携われて良かった。3年半後(25年)にデビューする初産駒が藤沢厩舎に入れないのは寂しい。

 ▼吉田勝己ノーザンファーム代表 初年度の交配相手は距離を重視してエピファネイアが最有力。その後はサートゥルナーリアも考えている。グランアレグリアは世界で一番強くて速い馬だった。

 ▼ルメール 僕にとって特別な馬。他馬とはラストの脚が違っていた。

 ▼渡部貴文助手 体も成長したが、心も成長したことが結果につながったと思います。

 ◆グランアレグリア 父ディープインパクト 母タピッツフライ(母の父タピット)牝5歳 16年1月24日生まれ 美浦・藤沢和雄厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績15戦9勝 JRA・G1制覇は19年桜花賞、20年安田記念、スプリンターズS、マイルCS、20年ヴィクトリアマイル、マイルCSの6勝。総獲得賞金10億7381万3000円(付加賞含む)。馬名の由来は大歓声(スペイン語)。

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2021年12月19日のニュース