【天皇賞・秋】エフフォーリア 3歳馬の勢い!楽に最先着で横山武「今までで一番良い」

[ 2021年10月28日 05:30 ]

ウッドチップコースで追い切るエフフォーリア(撮影・郡司 修)
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 メンバー中、唯一の3歳となる皐月賞馬エフフォーリアは美浦Wコースで直線、勢いよく伸びて好仕上がりをアピール。初対戦の古馬に立ち向かう。

 520キロの巨体が疾風のごとく僚馬の間を突き抜けた。エフフォーリアの最終追いは横山武を背に本番さながらの実戦訓練。レッドライデン(4歳2勝クラス)、グラナタス(5歳2勝クラス)を前に見て抜群に折り合うと、直線入り口で2頭の間を力強く割った。

「実戦から遠ざかっているのでレースをイメージした調教を」と鹿戸師。5F69秒3~1F11秒3で楽に最先着を果たした。

 さすがの脚力。納得の仕上がりに鞍上も雄弁だ。「力みやすいところがあった馬だけど、リラックスしていました。稽古、競馬とずっと乗せてもらってきて調教は今までで一番良かった。パワーも全体的に一段と成長して改めていい馬だなと。僕が馬の邪魔をしないようにしたい」

 ダービーではわずか10センチの差で2着。無敗進撃がストップした。横山武は「思い出したくない悪夢」と表現する。陣営の失意は想像を絶するが、鹿戸師はスタッフに下を向かせなかった。「ダービーで終わりじゃない。次に向けて頑張ろう。この馬はまだまだやれる」。リベンジの場として選ばれたのは世代を超えた最強決定戦。舞台に不足はない。中153日。こん身の仕上げを施したエフフォーリアは春とは別次元の筋肉のよろいを身にまとう。また、横山武も菊花賞(タイトルホルダー)をパーフェクトな騎乗で制し、自らにはくを付けた。「菊花賞のVTRはたくさん見ました(笑い)。いい意味で気持ちに余裕ができたので天皇賞で有効に生かしたい」。ダービー前の力んだ姿は、もうない。

 3歳馬Vなら、父の父シンボリクリスエス(02年)以来19年ぶりの快挙となる。「あくまで挑戦する立場。ダービーとは違って、馬もジョッキーもリラックスして臨める」と指揮官。自然体のエフフォーリアと横山武なら、世代の壁だって超越できる。

 【“恩人”藤沢和師と対決に鹿戸師「いいレースを」】鹿戸師は騎手時代から藤沢和厩舎の調教に参加し、名伯楽からイロハを学んだ。「藤沢先生は何年も面倒を見てもらった恩人。調教師になってからは、少しでも近づけるようにと思ってやってきた」と話す。グランアレグリアとエフフォーリアの対決は最初で最後になる公算が大。「師匠に挑戦できるのはありがたい。いいレースをしたい」。師匠が2度果たした3歳馬による天皇賞制覇を鹿戸師も成し遂げるか。

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2021年10月28日のニュース