【京都大賞典】マカヒキ復活V!ダービー馬史上最長ブランクの5年ぶり白星、鼻差競り勝った

[ 2021年10月11日 05:30 ]

<阪神11R京都大賞典>鼻差で5年ぶり勝利を挙げたマカヒキ(中央)左から2頭目は2着アリストテレス(撮影・後藤 大輝)
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 ダービー馬が感動の復活V。「第56回京都大賞典」が10日、阪神競馬場で行われ、16年のダービー馬マカヒキがゴール前で差し切り、16年9月の仏G2ニエル賞以来の勝利を飾った。JRAではダービー以来、中5年4カ月10日でのV。クラシックホースとしては史上最長の勝利間隔となった。

 長かったトンネルの先に感動の勝利が待っていた。16年のダービー馬マカヒキがゴール前、外から伸びてくる。1歳下の菊花賞馬キセキをかわし1番人気アリストテレスと馬体を併せたところがゴール。場内にゴール前のリプレーが映し出されるとわずかに鼻差出ていた。その瞬間、阪神競馬場は限定入場4000人以上のファンからの温かい拍手に包まれた。

 5年ぶりの勝利。復活を待ち望んだファンはもちろん、陣営にとっても喜びはひとしおだ。担当する大江助手は検量室前で同じ友道厩舎の安田助手と抱き合った。藤岡康を背に引き揚げてくると「(藤岡)康太、ありがとう」。感極まった表情で人馬を出迎え「よく頑張ったな」と首筋をなでて愛馬をねぎらった。

 前走に続いて騎乗した鞍上は「ダービー馬ですし海外にも挑戦。ファンの多い馬ですからね。力強い走りをマカヒキがしてくれて何よりうれしいです。厩舎スタッフと話して何とか復活させたかった」。後方からの競馬が定着していたが、この日は意識的に中団の位置をキープ。「開幕週でいい馬場だったし、ある程度スタートから主張して行く形に」と序盤のポジション取りが復活につながった。

 友道師がいた東京競馬場でも拍手が沸き起こった。師は「ありがたいですね。感動しました」と感無量。古馬になって以降、出走レースは年間で多くて5回。ここ2年は2回ずつしか走っていない。所有する金子真人(HD)オーナーは大事に使うことでも有名。ダートG1・7勝のカネヒキリは屈腱炎、骨折を乗り越えて8歳まで走った。

 ダービーから中5年4カ月10日での勝利は歴代3番目のJRA重賞勝利間隔となった。友道師は「新聞を見たらダービー馬で8歳まで走ったのは珍しいと書いてあった。でも数は使ってないから、まだまだ馬は若い」と目を細める。

 この勝利で再び、堂々とG1の大舞台へ。今後はジャパンC(11月28日、東京)を視野に入れる。師は「天皇賞だと間隔がないし、年齢的なこともあるからね。オーナーと相談して決めたい」と語った。藤岡康は「ポテンシャルの高い馬。いつも一生懸命走ってくれるので、これからも頑張ってくれると思います」とエール。復活した第83代ダービー馬が秋G1を盛り上げる。

 ◆マカヒキ 父ディープインパクト 母ウィキウィキ(母の父フレンチデピュティ)13年1月28日生まれ 牡8歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績24戦6勝(重賞4勝目) 総獲得賞金6億3978万6600円。馬名の由来はハワイの収穫祭。

 【京都大賞典アラカルト】
 ☆騎手&調教師 藤岡康のJRA重賞勝利は昨年のマーチS(スワーヴアラミス)以来で通算21勝目。友道師は今年の京都新聞杯(レッドジェネシス)以来で今年5勝目、通算50勝目。
 ☆種牡馬 ディープインパクト産駒の京都大賞典Vは昨年グローリーヴェイズに続く5勝目。JRA重賞は前日のサウジアラビアRC(コマンドライン)に続き今年18勝目、通算266勝目。
 ☆5年超え マカヒキのJRA重賞勝利間隔(中5年4カ月10日)は20年阪神JSのタガノエスプレッソ(5年10カ月3日)、10年福島記念のダンスインザモア(5年7カ月30日)に次ぐ歴代3番目の間隔。

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