【毎日王冠】シュネルマイスター 実りの秋確信のV、ルメール完璧エスコート

[ 2021年10月11日 05:30 ]

<毎日王冠>豪快な末脚でダノンキングリー(右)など古馬を一蹴したシュネルマイスター(手前)=撮影・郡司 修
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 「第72回毎日王冠」は10日、東京競馬場で行われ、1番人気の3歳馬シュネルマイスターがNHKマイルC以来の重賞2勝目。クリストフ・ルメール(42)は秋の東京開幕週の土日重賞Vを飾った。

 東京競馬場にサプライズで流れたG1ファンファーレ。勇ましい曲調にふさわしい若きG1馬が、秋始動戦で豊かな将来性を示した。ルメールは「道中で凄く冷静な分、レースの後もあまり疲れてなかったですね。もちろんG1レベルの馬。この先がずっと楽しみです」と笑った。

 レースが動いたのは向正面。前走・安田記念(3着)で敗れたダノンキングリーが、後方から一気に押し上がった。思わず付いて行きそうな局面。それでも、ルメールは「本当は近くにいたかったけど、冷静に走っていたので(馬を)リスペクトした」と後方2番手で我慢した。満を持した直線でスピードを上げると、ラスト100メートル付近でキングリーとの一騎打ちに。温存した脚でもう一伸び。頭差出たところがゴールだった。手塚師が「相手がキングリーだし、まさかあの位置から届くとは思わなかった」と目を丸くする強さだった。

 前日サウジアラビアRCのコマンドラインでは早仕掛けで勝利したルメール。変幻自在の手綱さばきでリーディング独走中の名手が、シュネルの素質にほれ込んでいる。「NHKマイルC(1着)ではエンジンが掛かるのが遅かったけど、今日はラスト300メートルでいい瞬発力を見せてくれた。凄く乗りやすい馬で道中では力をキープできる」。強敵撃破は名手の腕と馬の成長力をしてかなった。

 ルメールは「今日の競馬なら2000メートルでもいける」と繰り返したが、次走はレース前の予定通りマイルCS(11月21日、阪神)が濃厚。この日見せた瞬発力なら、安田記念のリベンジは難しくない。「今日は休み明けでしたからね。次はもっとアグレッシブに乗るかもしれない」。G1ファンファーレが似合うコンビが秋競馬席巻の予感だ。

 ◆シュネルマイスター 父キングマン 母セリエンホルデ(母の父ソルジャーホロウ)18年3月23日生まれ 牡3歳 美浦・手塚厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・独国ノーザンファーム 戦績6戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億4971万8000円 馬名の由来はスピードの名人(独語)。

 《ドイツ産旋風続く》またドイツ産馬だ。先週の凱旋門賞をドイツの伏兵トルカータータッソが制して話題になった翌週、独オークス馬セリエンホルデを母に持つシュネルマイスターが毎日王冠を勝利。春はドイツ牝系の血を引くユーバーレーベンがオークスを制し、シュネルがNHKマイルCも優勝。国内外の競馬シーンでドイツ血統が存在感を高めている。

 【毎日王冠アラカルト】
 ☆騎手&調教師 ルメールのJRA重賞勝利は前日のサウジアラビアRC(コマンドライン)に続き今年13勝目、通算120勝目。手塚師は重賞出走機会3連勝で今年7勝目、通算34勝目。
 ☆種牡馬 キングマン産駒のJRA重賞勝利はシュネルマイスターのNHKマイルC以来で今年3勝目、通算3勝目。
 ☆東高西低 毎日王冠は18年から4年連続で関東馬の勝利。通算では関東馬53勝、関西馬18勝、外国馬1勝。
 ☆外国産馬 外国産馬の勝利は02年マグナーテン以来で5勝目。

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2021年10月11日のニュース