【まるがめ・G2ボートレース甲子園】毒島“怪物伝説”完結、完璧逃げで他艇シャットアウト

[ 2021年7月12日 05:30 ]

第3回全国ボートレース甲子園を制し深紅の優勝旗を掲げる毒島
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 甲子園に新たな“怪物伝説”誕生――。まるがめボートのG2「第3回全国ボートレース甲子園」は11日、12Rで優勝戦が行われた。前検日にスーパーエース64号機を引き当てた瞬間から一度も主役の座を譲らなかった毒島誠(37=群馬)が、インからケタ違いのパワーで逃げ切って初の全国制覇。優勝賞金450万円を獲得した。今年は3回目のV。2着は峰、3着には馬場をさばいた太田が入線。

 「64号機を引いた人が優勝」。今大会が始まる前から、話題は“怪物”とも称されるスーパーエース機一色だった。そして、毒島が引き当てた瞬間、誰が優勝するかではなく、毒島がどう優勝するかに注目が集まった。ドリーム組のスタート特訓で、峰や吉川元、白井らの戦意を喪失させるほど圧巻の動きを披露。勝負付けはこの時点で済んでいたといってもいい。

 「64号機は怪物です。凄い。足が人とは違った。今節は相棒のおかげ。いいバッテリーが組めました。日本一のエンジンですね。これからずっと持ち歩きたいくらいです」

 とはいえ、毒島からしてみれば今節は想像を絶するほどのプレッシャーだったに違いない。勝負事に絶対はないのに「絶対にV」を宿命づけられたのだから…。もし、プレッシャーに弱い選手なら、押しつぶされて自滅していたかもしれない。しかし、SG7冠の強心臓で重圧に打ち勝った。2号艇のドリームは、ピット離れでインを奪って逃げ切り勝ち。2日目を終えて「足は節イチを超えて日本一」とぶっ飛んだスケールのコメントが飛び出した。そして優勝戦。展示、1周、回り足、直線の4項目全てで1位のタイムをはじき出すと、インからトップスタートを決めて完封。いや、完全試合で他5艇の野望を打ち砕いた。

 「良かった。ホッとしました。優勝戦のメンバーが良すぎ(笑い)。G2じゃないでしょう。モーターの力は大事ですね。この優勝で少しリズムが良くなると思って次節からやっていきたい。次はオーシャンカップ。心を入れ替えて、またイチから頑張ります」

 SG2勝、G1・1勝のまるがめで、新たな勲章が加わった。そして、前検日の段階で22位だった賞金ランクは今節を終えて17位まで浮上した。21年も後半戦。グランプリ戦線のバトルもこれから熱を帯びてくる。この後は4優出1Vのオーシャンカップ、3優出3Vのメモリアルと続く。夏男・毒島の、これからの快進撃に期待したい。

 ▽優勝戦VTR スタート展示、本番とも枠なりの3対3。スリットはほぼ横一線だったが、わずかにイン毒島と3コースの太田が少しリードした。こうなれば毒島のモノ。冷静に1Mを先取りして他5艇を突き放した。2コースからこん身のターンを繰り出した峰は、毒島を脅かすまでは至らず…。5コースから馬場が鋭いスピードで捲り差してきたが、太田が2Mでさばいて3着。準優1号艇トリオでの決着となった。

 ◇毒島 誠(ぶすじま・まこと)1984年(昭59)1月8日生まれの37歳。群馬支部の92期生として03年5月にデビュー。通算61V。SG7V、G1・11V。まるがめではSG2V(13、18年メモリアル)、G1・1V(63周年)。同期に大峯豊、西村歩ら。

 《売り上げ109億円、目標達成》全国ボートレース甲子園の節間売り上げは109億1216万500円。目標の100億円を大幅に突破した。同大会初のナイター開催は大盛況のうちに幕を閉じた。

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