【岸和田・高松宮記念杯】宿口 G1初決勝V!「無我夢中」直線突き抜けた、GP出場権獲得

[ 2021年6月21日 05:30 ]

優勝トロフィーを手にポーズを決める宿口
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 宿口がG1初制覇――。G1「第72回高松宮記念杯競輪」の決勝戦は20日、岸和田競輪第12Rで行われ、宿口陽一(37=埼玉・91期)が優勝。「グランプリ2021」(12月30日、静岡競輪場)の出場権利と賞金3083万円(副賞含む)を獲得した。G1決勝初進出での優勝は07年「第50回オールスター」の飯嶋則之(栃木)以来。なお人気を集めた清水裕友は5着に敗れた。

 初のG1決勝戦進出で、対戦メンバーはタイトルホルダーが4人にS班の守沢。宿口の劣勢は否めなかった。それでも準決勝を1着で突破した調子の良さに加えて「吉田君との作戦通りでした」と狙っていた展開がズバリと決まり、G3を飛び越え07年オールスター(高知)の飯嶋則之以来となるG1初決勝Vという大仕事をやってのけた。

 最終ホームでは最後方のポジションだった宿口。先行態勢は松浦―清水のゴールデンコンビで、人気を集めた清水の勝利の確率は高まる。そこに襲い掛かるのが単騎の山崎で、吉田が追走の形に。山崎がバックで捲り切り、直線で外を踏み込む吉田をさらに捉えた宿口が鮮やかにG1初Vのゴールを駆け抜けた。

 「無我夢中でした。僕の方が車輪が出ていたのは分かりましたが…。このメンバーで勝てるなんて正直、驚いています」

 大会直前に関東のエース平原康多がケガで欠場。高校の先輩で、公私ともに世話になる先輩の無念を思い「平原さんの分までとはとてもいかないが、頑張ろうとは思っていました。いい報告ができそうです」とこの時ばかりは、はにかんだ笑顔を見せていた。

 タイトル獲得でグランプリ2021(12月30日、静岡)の出場権を獲得した宿口。「ひとつの目標は達成できましたが、まだそういう選手ではないので…。周りの視線も変わってくると思うので、一つ一つのレースを頑張っていくだけです」と最後まで謙虚に喜びをかみしめた。

 ▽決勝VTR 松浦がスタート。松浦―清水―稲川―小松崎―佐藤―守沢―吉田―宿口―山崎で周回。赤板で吉田―宿口が上昇。小松崎―佐藤―守沢が打鐘で前に出るが松浦―清水―稲川がすかさず巻き返して先行争い。松浦が踏み勝って主導権も最終1Cから山崎が捲る。清水が山崎に合わせて番手捲りも山崎がのみ込む。山崎の捲りに続いた吉田―宿口が外を踏んで宿口が直線伸びて優勝。

 ◇宿口 陽一(やどぐち・よういち)1984年(昭59)4月3日生まれ、埼玉県ふじみ野市出身の37歳。県立川越工卒。06年7月プロデビュー。通算成績は1301戦315勝。通算取得賞金は2億6988万円。主な優勝は第72回高松宮記念杯(21年)。1メートル68、72キロ。血液型AB。

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