【函館スプリントS】去勢効果抜群!ビアンフェ逃げ切り 藤岡佑「今までで一番落ち着きあった」

[ 2021年6月14日 05:30 ]

函館スプリントSで逃げ切ったビアンフェ(左)=撮影・千葉 茂
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 開幕週の芝で狙い通り逃げ切りを決めた。ビアンフェは五分のスタートから二の脚がついてハナへ。軽快に飛ばし、前半3Fは32秒8と速いラップを刻んだ。スピードを持続させたまま直線に向くと、ラスト1Fで鞍上の藤岡佑がこん身の右ステッキ。ゴール前は後続が殺到したが、驚異の粘り腰で2着カレンモエを首差振り切った。芝のコンディションが良く、内枠が有利と言われる中、7枠14番から逃げ切りV。藤岡佑が笑顔で振り返る。

 「今までで一番落ち着きがあって、凄くいい雰囲気でゲートに入れました。理想的な逃げだったし、速いペースで全馬が苦しくなったところで粘るのが、この馬の良さ。2歳の頃から素晴らしいスピードがありながら、気持ちと体がうまくかみ合わなかったけど、牧場と(厩舎)スタッフの皆さんが一生懸命、やってくれたおかげです」

 現役屈指のスピードを備える一方、これまで気性難が災いするケースも多々あった。陣営は昨秋のスプリンターズS16着後、去勢を決断。復帰戦となった今年3月のオーシャンS3着で復調の兆しを示し、去勢明け2戦目のここで3度目の重賞Vを飾った。管理する中竹師はゲート裏まで付き添い、その場で発走を見届けた。「(馬と)会話しながらリラックスできるように徹した。スタートを決めてくれたし、去勢したことで精神面が良くなっている」と満面の笑み。勝利への熱意が実を結んだ。

 今後はいったん栗東に戻ってから放牧へ。夏場に英気を養い、次走はセントウルS(9月12日、中京)を視野に調整を進めていく。「とりあえず休ませます。秋の最大目標はもちろんスプリンターズS(10月3日、中山)なので、ここで賞金を加算できて良かった」。去勢効果でひと皮むけた快速馬が芝スプリント路線の頂点を目指し、秋も突っ走る。

 ◆ビアンフェ 父キズナ 母ルシュクル(母の父サクラバクシンオー)17年4月29日生まれ セン4歳 栗東・中竹厩舎所属 馬主・前田幸貴氏 生産者・北海道新冠町のノースヒルズ 戦績11戦4勝(重賞3勝目) 総獲得賞金1億4857万7000円。馬名の由来は上出来、かっこいい(仏)。

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2021年6月14日のニュース