【ヴィクトリアM】マジックキャッスルの逆襲劇!好相性阪神牝馬Sで上がり最速

[ 2021年5月11日 05:30 ]

マジックキャッスル
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 過去10年の傾向から勝ち馬をあぶり出す「G1データMAX」は絶好調。天皇賞・春でワールドプレミア、NHKマイルCでシュネルマイスターと指名馬が2週連続Vを決めた。今週は春の古馬牝馬の頂上決戦「ヴィクトリアマイル」。徹底分析で導き出したのはマジックキャッスル。昨年、アーモンドアイで制した国枝栄師(66)が連覇を決めるとの見立てだ。

 (1)年齢 
 過去10年の出走馬の年齢別成績は次の通り。
 4歳 【5・6・3・66】
 5歳 【3・3・6・51】
 6歳上【2・1・1・29】
 現在主流のクラブ所有牝馬が6歳3月を引退期限に設定していることもあり、4~5歳が圧倒的に優勢。6歳上の2勝は15、16年に6~7歳で連覇したストレイトガール。5歳で出走した14年に3着好走があり、その後の1年間にもG1で2、3着を1回ずつマークするなど力の衰えがないことを証明していた。今年は昨年2着のサウンドキアラが6歳で出走予定も、この1年間に馬券に絡む好走がない。やや衰えが懸念され狙いづらい。

 (2)実績 過去10年中、連覇の2回を除く8回の優勝馬は、いずれも出走時点でG1で掲示板(5着以内)確保の実績があった。17年Vアドマイヤリード、18年Vジュールポレールは重賞未勝利だったが、前者は桜花賞5着、後者は前年のこのレースで3着に好走していた。G1で強敵相手に健闘した経験は必須。2連勝で臨むデゼルはオークス11着。4連勝中テルツェットはG1初挑戦。勢いは魅力だが経験値での見劣りは否めない。

 (3)前走舞台 1着馬に優先出走権が付与される前哨戦2レースは大きく明暗が分かれた。阪神牝馬S組は【4・4・4・59】。連対馬20頭中8頭と半数近くを占める。一方、福島牝馬Sは【0・1・2・22】と劣勢。ローカル小回りと東京では本質的に求められる能力が違う。ただ、今年の福島牝馬Sは新潟外回りで開催された。この点で優勝馬ディアンドルに一考の余地も。ただ、強豪が集結する阪神に比べるとレースレベルが落ちるのは否めない。大阪杯組は【1・1・1・1】。サンプル数は少ないが、タフなコース設定だけに前走で2000メートルを走ってきたことはマイナスにはならない。これに2勝の中山牝馬S組までがV候補。11年VアパパネはマイラーズCから、昨年Vアーモンドアイは有馬記念から直行だったが、これらは馬の力が違いすぎた。

 (4)前走着順 このレースの最大の特徴とも言えるのが前走好走馬の大不振。別表にまとめた前走着順別成績が示す通り、前走1~3着馬は低調な成績で前走Vからの連勝は皆無。一方で、前走4着以下から巻き返す馬が目立つ。理由はいろいろ考えられるが、まずは前哨戦の舞台設定が本番と大きく異なること。適性の違いで凡走した馬には要注意だ。そして牝馬にとって春はフケ(発情)の影響で体調が左右される時季。体調維持の難しさも無関係ではないだろう。中山牝馬S快勝のランブリングアレーは良績が右回りに集中。東京未経験で割り引きが必要だ。

 結論 人気が予想されるグランアレグリアは全項目をクリアしたが、狙うべきは好相性の阪神牝馬S組。そこで1着ではなかったことで傾向に合致するマジックキャッスルを狙いたい。阪神牝馬Sではメンバー中、最速の上がり3F32秒4を叩き出して2着。東京替わりで期待が高まる。生産した社台ファームはこのレース、06年の新設から3連勝。ただ、その後は近11年で7勝を挙げるノーザンファームの独壇場となっている。今年はマジックキャッスル、昨年2着のサウンドキアラ、連勝中のデゼルなど5頭が出走予定の社台ファーム出身馬。老舗の大逆襲がありそうだ。

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