【大阪杯】レイパパレ 力み消えた!坂路単走で上昇一途4F52秒9

[ 2021年4月1日 05:30 ]

<大阪杯>坂路で単走で追い切るレイパパレ

 調教師は時に競馬全体の宣伝マンや広告塔となるのも重要だ。高野師のコメントにうかがい知ることができる。牝馬のレイパパレが大阪杯を選択した理由は(1)5戦全勝の成績と未知の可能性、(2)重賞勝利の前走と同じコース・距離。この2点を挙げた上で、競馬ファンの胸に響くような言葉でもPRした。

 「競馬というのは元をただせば、どの馬が一番強いのか、速いのかを比べるのを人間がつくりあげた競技。一番、強い馬に挑戦する競馬としての向き合い方であり、チャレンジ精神です」

 なるほど上昇一途レイパパレの参戦で面白さが倍増した。坂路単走の最終追い切りが4F52秒9~1F12秒4。ピッチ走法の鋭い回転力は長所の一端として追い切りでも伝わっており、逆にウイークポイントであるはずの力みが消滅したのも歓迎材料。トレーナーは「一番、避けたかったのは疲労こんぱいになる追い切りだったけど、目は爛々(らんらん)として元気良く駆け上がっていた。いい仕上がり。元のレイパパレに戻っている」と口調のトーンを高めている。

 “元の”という表現が意味するものは、前走のチャレンジCはイレ込みが懸念されたからだ。鞍上の川田は手を焼いたシーンについて「返し馬の力みがキツくて、レースでも力んで走っていた。それでも能力の高さで押し切ってくれた」と振り返っている。G3ではカバーできても、さすがにG1の舞台で減点材料があっては勝利に届かないことは百も承知。「日本を代表する2頭(コントレイル、グランアレグリア)とサリオスを含めた3頭にレイパパレは挑んでいく立場。まずは二千メートルの距離の課題を克服して、その先に素晴らしい相手との戦いが待っている」と立ち位置と同時に明確な課題も隠さない。先週の高松宮記念で勝利した川田。この男の発する言葉には弱点が弱点に聞こえてこない余裕が感じられる。

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2021年4月1日のニュース