【21年注目の女子レーサー】高橋朋恵 最強戦士にメイクアップ!セーラームーンのため「賞金稼ぐ」

[ 2021年1月2日 09:55 ]

セーラームーンに登場するムーンロッドを持ってポーズを取る高橋朋恵(撮影・篠原岳夫)
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 新年はこだわり系女子レーサーに注目!今年、飛躍が期待される公営競技の女子レーサーを特集。ガールズケイリンからはセーラームーンに元気をもらい続けているという高橋朋恵(26=東京)。お目当てのグッズ購入のため、バンクで今日ももがく。

 年が替わって大活躍よ!高橋朋恵の自室の壁を埋めるのは優勝カップでもトロフィーでもない。「美少女戦士セーラームーン」のグッズだ。両親が熱心に録画してきた同番組を見るうちに、いつの間にかハマっていた。グッズの可愛さも魅力だった。「レースで頑張って賞金を稼いでグッズを買いたい。欲しいと思ったら買う方」。だが、昨年は欲しい物全てを買えたかといえば微妙。今年は賞金を稼ぎ、欲しい物全てを手に入れたい。

 長崎県で中学、高校と陸上部に所属していた。「高2の時、ガールズ1期生のドキュメントをテレビで見た。主婦や高校を卒業してすぐの人が頑張っているのを見て私にもできるかもと思った」。すぐに父と佐世保競輪場へ。選手が投げたTシャツを偶然にもキャッチし、そのまま事務所へ駆け込んだ。「競輪選手って、どうやったらなれますか?」

 それからは猛特訓の日々。2度目の受験で競輪学校(現日本競輪選手養成所)合格。15年7月にデビューした。19年4月にはセーラームーンの舞台でもある東京に移籍。その初戦の小倉開催で見事初優勝した。

 東京への移籍は「自分に合っていると感じた」という練習環境が決め手だが、最高の副産物もあった。「実家にはセーラームーングッズを置く場所がなかった。一人暮らしなら気兼ねなく置ける」。グッズ収集に熱が入った。高橋の趣味は仲間も知るところ。同期で目下、ガールズケイリントップの児玉碧衣からもらったことも。自室で“宝物”を見て癒やされ、さらに練習に打ち込んだ。デビューから3年以上優勝がなかったが東京移籍後、4度の優勝を果たしたのは明らかにセーラームーン効果だ。

 昨年は波に乗りかけたがブレークには至らず。「春先までは良かったが練習中の落車もあり調子を落とした。その後も空回りが多かった」。今年こそは…気合が入る。「シンプルに強い選手の後ろから差す。安定した成績を残し、ビッグレースにも続けて出たい。そのためには5回以上、優勝したい」

 今年はセーラームーンの映画も公開予定。ますます燃える高橋。強い戦士へと、メイクアップ!

 ≪立川参戦なら買い!!≫レースで高橋を買うならホームバンクの立川だ。東京支部移籍後、3度参戦して優勝2回と決勝2着。「(バンクに)癖がある。それが分かっていることは大きい」。また、特別な思いもある。「新たに私を迎え入れてくれたバンク。遊びたくて東京に来たのではなく強くなるために来た。そう思ってほしい」。周囲に認めてもらうためにも負けられない。今年も立川参戦時には要注意だ。

 ≪筋金入りのゲーマー≫ゲーム好きの高橋。練習の合間に興じ、開催中も通信機能のないゲームを持ち込んでやるというから筋金入りだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催が中止になった時には、仲のいい選手と楽しむ様子をネットで配信した。「無になってやり込めるのがゲームのいいところ」。レースに気持ちを集中させる最高のアイテムとなっているようだ。

 ◆高橋 朋恵(たかはし・ともえ)1994年(平6)9月21日生まれ、長崎県出身の26歳。15年7月、108期生として松戸でデビュー。レース前には「04 Limited Sazabys」の曲を聴いて気持ちを高める。ニックネームはおーちゃん。好きな食べ物はチーズケーキ。1メートル63、62キロ。血液型O。

 ▽ガールズケイリン 1948年の競輪初開催とともに女子競輪の歴史は幕を開けた。最盛期には700人近い女子選手が在籍したが、力の差が大きく、一部の選手ばかりが活躍したためギャンブル的要素に乏しくなり、64年廃止。その後、五輪につながるなどの理由で復活機運が高まり、12年7月、「ガールズケイリン」として48年ぶりに復活を果たした。現在は9期生までがデビューし150人ほどの選手がいる。

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