【ジャパンC】角居師、最後にキセキ起こす「正攻法でなくても勝ちたいレース」

[ 2020年11月25日 05:30 ]

来春に勇退を控えており最後のジャパンCにキセキで挑む角居師
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 ジャパンC2勝トレーナー・角居勝彦師(56)にとって、この国際レースは特別な位置付け。来春に勇退を控え、キセキで臨む今年はラスト・ジャパンCとなる。本紙のインタビューに応じ、日本が誇る国際レースへの思い、意気込みを語った。 

 ――角居師にとってジャパンCとは?
 「世界中で競馬が行われる中、“世界に追い付き、追い越せ”というところから始まったレース。(創設された81年ごろは)競馬がギャンブルからスポーツへと変遷する時期だったのではないでしょうか。このレースができたことで日本の競馬が革命的に進んだ気がします」

 ――具体的にどういう影響が?
 「日本は島国ですし、何より日々の業務が忙しく、海外の競馬を勉強しに行くチャンスがめったにないのが現実でした。そんな中、海外のホースマンの仕事を間近で見ることができたのは大きかったです。当時の日本において競馬に携わる仕事は“危険で汚い”というイメージでしたが、外国馬は(厩務員の)女性が奇麗な服装で馬を引っ張っていました。凄く衝撃的だったと思います」

 ――自身にも大きな影響があった?
 「調教師になるまでジャパンCにいく機会はほとんどなかったのですが、それでも調教に対する概念のようなものは壊されましたね。世界のトップトレーナーは狙ったレースに向けてドンピシャで馬をつくってくる。来日してからキャンター調整だけ。中には引き運動だけで勝ってしまう馬もいました。それを見たことで調教師になって以降、G1を目指す馬をつくる上で“馬に合わせる”ということを強く考えるようになりましたね。調教を強くやらないといけない馬がいれば、ソフトにやらないと駄目な馬もいる。勉強というか、意識を変えることができました」

 ――思い出に残るジャパンCは?
 「勝った2つのレース、ウオッカ(09年)とエピファネイア(14年)はどちらも“そこを勝ちたい!”と思って挑戦したレースでした。結構、チャレンジしましたね」

 ――自身最後のジャパンCにキセキが出走します。前走の天皇賞・秋で好位から踏ん張って5着。今回の作戦は?
 「前走はジョッキーの判断で、ああいう競馬になりました。別に逃げなくてもいいと思っています。どんな競馬でもできますよ。いい状態で挑めそうです」

 ――今回は3冠馬3頭を含めた素晴らしいメンバー。
 「みんながその3頭を負かしにいこうと思うでしょうからね。勝てたら後世に語り継がれると思うし正攻法でなくても勝ちたいレース。みんながそのために何か仕掛けてくるんじゃないかと思うし、面白いレースになりそうですね。(自身にとって)最後の年、記憶にも記録にも残るレースに出せることは幸せです」

 ――最後に意気込みを。
 「(回避した)サートゥルナーリアもキセキも種牡馬の世界でも期待されている馬。そのためにもタイトルを獲らせてあげたい。あと何回、レースに使えるか分かりませんが、まずはケガしないように、そしていい競馬をしたいですね」

 ◆角居 勝彦(すみい・かつひこ)1964年(昭39)3月28日生まれ、石川県出身の56歳。北海道のグランド牧場から競馬学校を経てトレセンへ。中尾謙太郎厩舎と松田国英厩舎で調教助手を務めた後、01年開業。04年菊花賞デルタブルースでG1初制覇。06年メルボルンCをデルタブルース、07年ダービーをウオッカ、11年ドバイワールドCをヴィクトワールピサで勝つなど国内外のG1を数多く制している。家業の天理教の仕事を継ぐため来春勇退の意向。引退した競走馬の支援活動や障がい者乗馬の普及にも尽力。JRA通算758勝(うちG1・26勝を含め重賞82勝)。

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