【京都大賞典】キセキ 坂路4F52秒8猛烈リハ!菊花賞馬“思い出の地”で3年ぶりVへ態勢整った

[ 2020年10月8日 05:30 ]

<京都大賞典>坂路併せ馬で追い切り、軽快な走りを見せたキセキ(手前)(撮影・坂田 高浩)
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 JRA秋の京都開催はファンの入場再開とともに開幕。日曜メインは伝統のG2「第55回京都大賞典」だ。7日、水曜追い切りでキセキが今季初戦に懸ける意気込みを体現した。栗東坂路でビッシリ併せ、脚力を誇示。このひと追いで態勢は整った。思い出の地・京都で17年菊花賞以来の勝利を目指す。

 菊花賞馬が思い出の地で咆哮(ほうこう)する。キセキが坂路で猛烈リハ。僚馬のアールジオール(4歳2勝クラス)を目標に、追いかける形をとる。並びかけると鞍上のステッキが左へ右へと飛ぶ。そこからグインとひと伸び。ビシッといっぱいに追われ、1馬身先着した。4F52秒8~1F12秒7をマーク。角居師が切り出す。

 「1週前にジョッキーに乗ってもらってクセや感覚をつかんでもらった。その時の反応が“ちょっと”ということだったので。ストライドが大きいので坂路では時計が出ないですけど、気合を乗せる意味でも併せ馬をやりました」

 キセキが最終追い切りで併せ馬を選択するのは珍しいケース。ハートに火がともったか。先週の金曜日には浜中を乗せてゲート練習も行った。「問題なく、きれいにスタートをしてくれました」。栗東に帰厩してから1カ月以上をかけての乗り込み。入念に調整を施している。

 前走の宝塚記念は出遅れこそあったが、勝負どころでグングンと位置を押し上げた。自身でレースをつくった。内容のある2着だった。

 「前走はいい競馬でした。作戦は立てずにジョッキー任せ。前に行くレースが多かったけどそういう脚質で競馬ができたし、レースに幅が出ましたね」

 これでG1・2着は4回目。もう銀メダルはいらない。白星がほしい。週末は台風14号の接近も相まって、馬場悪化の可能性がある。思えば菊花賞を制したあの日も、台風の影響による大雨でドボドボの不良馬場だった。道悪に強い父ルーラーシップ。しぶった馬場が、大きな後押しになるかもしれない。

 京都競馬場は改修工事のため、来月から長い休催に入る。秋伝統のG2戦からは幾多の名勝負、名馬が生まれた。ちょっぴり名残惜しんで見る一戦、そんな淀には菊花賞馬の“復権”こそが良く似合う。

 ≪強い菊花賞馬≫このレースは菊花賞馬が強い。これまで掲示板を外した馬は1頭もいない(競走中止の01年を除く)。84年以降で8勝2着4回。勝率5割、連対率7割5分をマークしている。ここ最近でも16年キタサンブラック、18年サトノダイヤモンドと連勝中。その間に挟まった17年の菊花賞馬キセキが今年は意地を見せるか。

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2020年10月8日のニュース