高橋博師 悔いなしラストラン ムエタイに陸上競技…勇退後も広がる夢

[ 2020年8月17日 05:30 ]

<新潟5R>18着でレースを終え騎乗した藤田菜七子(左)と話す高橋義博師(撮影・郡司 修)
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 20日付で勇退する美浦の高橋義博師(69)が、16日の新潟5Rでラストランを迎えた。2歳新馬戦でデビューしたキボウノヒビキ(牝)の鞍上は菜七子だった。「少しでもいい結果が残せたら」と意気込んで臨んだが、結果は最下位18着。高橋博師は「コロナ禍の中、少しでも“希望の響き”をと思いましたが、他馬を怖がってしまい全然ダメでした」と振り返った。

 99年3月の開業以来、約21年間でJRA通算3951戦132勝(重賞2勝)。調教助手時代を含めると約40年の競馬人生にピリオド。「調教師としての20年は短かった。やりたいことをやって満足できましたが、その分、家族に対しては不十分なことばかりだった。今後は少し、家族に寄り添うようにしたい」と師。10年中山大障害を制したバシケーンなど個性派を育てた師は「ファンの記憶に残る馬は少なかったが、その中でも特徴のある馬を応援してくれたファンに感謝しています」と語った。

 勇退後は趣味のムエタイや、新たに陸上競技にも挑戦する夢がある。「どこかのリングやトラックで見かけたら、声をかけてください」。多くの騎手に握手攻めに合いながら、師は笑顔で競馬場を後にした。

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2020年8月17日のニュース