【凱旋門賞】馬が日常生活に溶け込んだニューマーケット

[ 2019年10月1日 08:00 ]

ユーロトンネル~英、仏の決戦前風景~(1)

ニューマーケットの調教場と厩舎地区を隔てる幹線道路を横断する競走馬
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 凱旋門賞に向けて、日本馬は英、仏に分かれて調教を積んでいる。「ナポレオン以来の夢」とも言われた英仏をつなぐユーロトンネルを利用して、英、仏を行き来して取材に当たっている記者からの街角リポートをお届けする。

 関東馬2頭が滞在するニューマーケットは世界有数の競馬の街。人口約2万人の小さな街に約2500頭の競走馬と約1万人の競馬関係者が暮らす。フィエールマンとブラストワンピースが入厩しているのはアビントンプレイスと呼ばれる地区の遠征馬専用馬房。欧州を転戦中のディアドラも入厩している。1881年(明14)完成というレンガ造りの荘厳な建物は、芝生の中庭を囲むように建てられた口の字形。各馬房から厩舎全体が見渡せる造りだ。ブラストの岩藤助手は「毎日、ディアドラの方を見て鳴いてます。恋をしているのかも」と笑う。

 広大な調教場と厩舎地区の間には幹線道路が通る。朝は通勤渋滞が発生するほど交通量が多いが、地元の競走馬は平然と横断歩道を渡って調教へと向かう。馬専用の信号機もある。車はもちろん、ジョギングする人や登校する子供たちも立ち止まって馬を見送る光景も。人間の日常生活の中に、馬が完全に溶け込んでいる街。それがニューマーケットだ。 

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