豊、祐一、ノリー“名手の系譜”3連単BOXで母へ手向け

[ 2019年9月27日 05:30 ]

昭和の競馬界を彩った名手の地を受け継ぐ(左から)武豊、福永、横山典
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 【競馬人生劇場・平松さとし】母が死んだ。

 いきなり私事で申し訳ないが、25日の朝、16年の闘病生活の末、母が息を引き取った。早くから余命宣告をされていたので覚悟はしていたが、二度と会えなくなるかと思うと悲しいモノである。

 私が競馬を始めたのは既に他界している父の影響。父は競馬が大好きだった。そのせいで母も私も競馬に抵抗はなかった。だから私がそれを仕事にしても母は何も言わずに見守ってくれた。

 そんな彼女は昭和10年代の生まれ。武邦彦元騎手や福永洋一元騎手、横山富雄元騎手の活躍を目の当たりにしたとよく口にしていた。

 今の若いファンは知らない方も多いかもしれないが、武邦彦元騎手はダービーや有馬記念等を勝ち「ターフの魔術師」と呼ばれた。福永洋一元騎手はデビュー3年目でリーディングジョッキーになると大ケガで引退を余儀なくされるまで8年連続でその座を維持した。横山富雄騎手は天皇賞2勝の他、中山大障害を5勝する等、二刀流で大活躍した。

 そして彼らの血はそれぞれ武豊騎手、福永祐一騎手、横山典弘騎手というダービージョッキーへ受け継がれた。さらに、武邦彦元騎手の子息にはG1騎手で現調教師の武幸四郎調教師もいる。

 残念ながら武邦彦元騎手と横山富雄元騎手はすでに鬼籍に入ってしまったが、福永洋一元騎手は引退時のケガの後遺症こそ残るものの、ご存命である。ぜひ、もっともっと長生きしていただき、息子の心の支えになっていただきたいものだ。

 さて、今週のスプリンターズS(G1)では武豊騎手がファンタジスト、福永祐一騎手がミスターメロディ、横山典弘騎手は武幸四郎厩舎のハッピーアワーに騎乗を予定している。私は馬券に関しては情を挟まないたちであるが、今回ばかりは禁を破り、3人の3連単ボックスでも買おうかと考えている。そして、当たれば感謝の意を、ハズれたら笑い話を母の仏壇に届けようと思っている。(フリーライター)

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2019年9月27日のニュース